税金

不動産売却による所得の税金はいくら?計算方法と控除について解説!

こんな悩みはありませんか?

  • 不動産売却による譲渡所得について知りたい
  • 譲渡所得の計算方法について知りたい
  • 不動産の所有期間による税率の違いを知りたい
  • 譲渡所得の特別控除について知りたい

所得はその性質に応じて10種類に分類されますが、その中で不動産を売却した時に発生する所得を譲渡所得といいます。

土地や建物などの不動産を売却する機会はあまりないので、譲渡所得について詳しい人は少ないかもしれません。

譲渡所得はたとえ取得費や譲渡費用を差し引いたとしても、その譲渡益は高額になり税金も高額になります。

本記事を読んで不動産売却による譲渡所得の概要や計算方法、特別控除について理解していただけるとありがたいです。

関連記事!
不動産所得とは?計算方法や確定申告の際の注意点について解説

続きを見る

譲渡所得とは

譲渡所得とは、土地や建物、株式、ゴルフ会員権などの「資産」を譲渡することによって発生する所得のことです。

譲渡所得の対象となる資産には、土地、借地権、建物、株式等、 金地金、宝石、書画、骨とう、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、配偶者居住権、配偶者敷地利用権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)などが含まれます。
なお、貸付金や売掛金などの金銭債権は除かれます。

引用:国税庁

わかりやすく言うと、金銭以外の資産を他人に譲ると譲渡所得が発生すると覚えておくといいでしょう。

ただし、家具、じゅう器、家電製品、衣服などの生活に使う「生活用動産」は資産としてカウントされませんのでご注意ください。

また、山林の譲渡をした場合は「山林所得」の扱いになるので扱いが異なります。

不動産の所有期間が、売却した年の1月1日時点で5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得といい、所有期間によって所得税・住民税の税率が異なります

譲渡所得の計算方法

土地や建物以外の資産を譲渡した場合にも発生する譲渡所得ですが、本記事では特に不動産売却による譲渡所得の計算方法を解説します。計算式は次のとおりです。

譲渡所得の計算

課税譲渡所得 = 収入金額 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除額

「収入金額」「取得費」「譲渡費用」「特別控除額」それぞれの項目について解説していきます!

収入金額

収入金額は、土地や建物などの資産を売却したことで買い手から受け取った金額です。

金銭以外の物や権利で受け取った場合は、その物の時価が収入金額となります。

取得費

取得費とは、資産を手に入れた費用と継続してかかる費用の合計です。

土地や建物の場合は、次の費用のことを指します。

  • 土地・建物の購入代金や建築代金
  • 購入時の税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税など)
  • 仲介手数料
  • 測量費、整地費、建物解体費など
  • 設備費、購入後の改良費
  • 借入金利子
取得費という名前から購入した時の費用と勘違いしそうだけど、継続してかかる費用も対象なんだね!
MONEBLO

ただし土地や建物の場合は、取得費の合計金額から経過年数に応じた減価償却費を差し引きます。

取得費が不明な場合

いままでかかった取得費を正確に把握するのはなかなか困難です。

そこで取得費が不明の場合や、実際の取得費が売却費の5%相当額より低い場合は、売却価格の5%を概算取得費とすることができます。

相続や贈与で取得した場合

相続や贈与で取得した場合、取得費と所有期間は前の所有者の取得費、所有期間を引き継ぐことになります。

譲渡費用

譲渡費用は売却するためにかかった費用で、具体的には以下の費用のことを指します。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 建物解体費
  • 借家人に支払った立退料
  • 売買契約締結後に支払った違約金
  • 借地権の名義書換料

特別控除について

譲渡所得の計算で差し引かれる特別控除の特例には以下のものがあります。

特別控除控除額
公共事業のために土地や建物を譲渡した場合5,000万円
マイホーム(居住用財産)を譲渡した場合3,000万円
特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した場合2,000万円
特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合1,500万円
平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合1,000万円
農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合800万円
低未利用土地等を譲渡した場合100万円

それぞれの特例控除は特例ごとの譲渡益が限度となり、特別控除額の合計は年間5,000万円が上限です。

平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡、または低未利用土地等を譲渡した場合の特別控除は、長期譲渡所得に限り適用可能です。

マイホームを譲渡した場合の特別控除

居住用財産であるマイホームを売却した時は、所有期間の長さに関わらず最高3,000万円までの控除が受けられます。

この特例を受けるためには、住居に住まなくなった日から3年経過した日の属する12月31日までに売却する必要があります。住居に住まなくなってから1月1日が4回過ぎたらアウトと覚えるとわかりやすいでしょう。

マイホームとは実際に住んで生活している建物のことなので、別荘や一時的な仮住まいなどはこの特別控除の対象外です。また、売却した年の前年または前々年に同特例を受けてる場合、マイホームの買換えや交換の特例を受けてる場合、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例を受けてる場合は、この特別控除は適用できません。

さらに住宅ローン控除との併用もできないので注意が必要です。

住宅ローン控除は、新しいマイホームに住み始めた年とその前後の2年ずつの5年間に、このマイホームの特別控除の適用を受けた場合は適用不可となります。

土地や建物以外の資産を譲渡した場合の特別控除

土地や建物などの不動産以外にも譲渡所得の対象となる資産は存在します。

例えば、株式、宝石、書画、骨董、機械器具、特許権、著作権などがあります。

これらの譲渡所得の特別控除額は、短期譲渡所得と長期譲渡所得の合計で上限が50万円です。

そのため、譲渡益が50万円以下の場合は申告不要です。

特別控除以外の特例について

特別控除以外にもマイホームの買換え特例、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例があります。

マイホームの買換え特例

マイホームの買換え特例とは、文字通りマイホームを買い換えるときに利用できる特例です。

売却価格よりも高い価格の住宅に買い換えた場合、譲渡所得への課税を次回の売却時まで繰り越すことができます。

例えば3,000万円で購入した住居を4,000万円で売却した場合、差額の1,000万円が課税対象となりますが、売却価格よりも高い5,000万円の住居に買い換えた場合は課税対象になりません。

ただし、買い換えた住居を売却した時に、前回の差額分も所得に加算して計算します。

買換え特例を適用するためには、売却価格が1億円以下であること、居住期間が通算10年以上で所有期間が10年超えであること、買換え先の住居の床面積が50㎡以上であることなどの条件があります。

譲渡損失の損益通算・繰越控除

売却価格が購入代金より下回り、譲渡所得がマイナスになった場合は、譲渡損失が出たことになります。

譲渡損失が出た年は、その他の所得との損益通算により所得税・住民税を減らすことができます。

さらに相殺しきれない分は、翌年以降最長3年間、他の所得からも差し引ける繰越控除が利用できます。

譲渡損失の損益通算・繰越控除を利用するためには、所有期間が5年超えであること、合計所得金額が3,000万円以内であることなどの条件があります。

税額の計算方法

譲渡所得は譲渡する資産の性質によって、総合課税分離課税の対象になるかが区別されます。

不動産売却による譲渡所得は分離課税制度が採用されており、給与所得などの他の所得とは合計せずに税額を計算します。

不動産売却による譲渡所得にかかる所得税と住民税の税率は以下の通りです。

短期譲渡所得の税率

所得税住民税合計
30.63%9%39.63%

長期譲渡所得の税率

所得税住民税合計
15.315%5%20.315%

ここに注意!

譲渡所得の所有期間は売却した年の1月1日時点での所有期間なので、実際の所有期間とは異なります。譲渡所得の税率は長期よりも短期の方が倍近く高いので、所有期間の判定を誤ると大変なことになります。

例えば2016年5月1日に取得し、2021年7月1日に売却した場合は、実際の所有期間は5年2ヶ月ですが、2021年1月1日時点では4年7ヶ月なので、短期譲渡所得となります。

譲渡所得は申告分離課税なので、所得税は税務署で確定申告をして納税をします。

申告期間か売却をした年の翌年の2月16日から3月15日です。

住民税は給与所得者であれば給与から天引きされ、自営業者であれば市町村から納付書が送られてくるので一括払いか年4回の分割払いで納税をします。

計算例

居住期間3年のマイホームを8,000万円で売却した場合
・建物の購入価格:4,000万円
・取得費:200万円
・譲渡費用:300万円
・特別控除:3,000万円
・減価償却の償却率:0.015

減価償却費 = 4,000万円 × 0.9 × 0.015 × 3年 = 162万円
減価償却費を引いた購入価格 = 4,000万円 − 162万円 = 3,838万円
譲渡所得 = 8,000万円 −(3,838万円 + 200万円 + 300万円) − 3,000万円 = 662万円
税額 = 662万円 × 39.63% ≒ 262万3,000円 (1,000円未満切り捨て)

 

さいごに この記事が30秒で理解できる!

譲渡所得とは、土地や建物を譲渡することによって発生する所得のことです。

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得、5年を超える場合は長期譲渡所得といいます。

不動産売却による譲渡所得の金額は以下のように計算され、所得税の税率は短期譲渡所得が30.63%で、長期譲渡所得が15.315%です。

課税譲渡所得 = 収入金額 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除額

特別控除にはいくつか種類があり、代表的なものだとマイホームを譲渡した場合の控除があり、控除額は3,000万円です。他にも特別控除や特例があるので上手く活用し、節税をしましょう。

こちらの記事もよく読まれています

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

TKG

ライター未経験ながら2020年ブログ執筆開始。税金や就業規則の記事を担当しています。 とっつきにくい分野のため、わかりやすい言葉で解説することを心がけてます。

-税金
-,

© 2022 マネブロ Powered by AFFINGER5