こんな悩みはありませんか?
- 不動産取得税について知りたい
- 税額の計算方法について知りたい
- 不動産取得税の軽減措置と申請方法について知りたい
不動産取得税とは、その名の通り不動産を取得した際に課税される税金ですが、実際にどのくらいの税額を支払う必要があるのでしょうか?
人生において不動産を取得するということは、大きな買い物です。
少しでも節税するために、今回は不動産取得税について、基礎から申請方法や軽減措置まで幅広く解説します。
不動産取得税には免税・減税制度が存在するので、本記事を読んで少しでも節税に役立ててくださいね!
それでは、本編をどうぞ!
知っておきたい税金の種類についてはこちらの記事で解説しています。
続きを見る【税金の基礎知識】税金の50種類とそれぞれの内容について解説
目次
不動産取得税とは
土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得したときに、取得した方に対して課税される税金です。
有償・無償の別、登記の有無にかかわらず課税となります。
ただし、相続により取得した場合等、一定の場合には課税されません。
引用:東京都主税局
つまり、不動産取得税とは、土地や家の購入など不動産を取得した際に課される税金です。
また建物を新築・改築・増築した場合も不動産を取得したことになります。
ここに注意!
相続により不動産を取得した場合は、不動産取得税を支払う必要はありません。
また、住宅を購入する際にかかる固定資産税や土地開発税は毎年支払いがありますが、不動産取得税は不動産取得時のみ支払いがあります。
新居に入居してしばらくすると自治体から納税通知書が送られてくるので、税務署で納税の手続きをしましょう。
ここに注意!
不動産取得税の通知書が送られてこない場合は、不動産取得税がかからない条件を満たした不動産を取得した可能性があります。免税対象かどうか確認してみましょう。
不動産取得税の計算方法
不動産取得税の金額は、以下の式で求められます。
不動産取得税の計算方法
不動産取得税額 = 課税標準額(固定資産税評価額) × 4%
ただし、2021年3月31日までに取得した土地と住宅にかかる税率は特例措置により3%と設定されています。
課税標準額とは、同期間までに取得した「宅地の評価額」に2分の1をかけた金額のことを指します。
固定資産税評価額
不動産取得税額を算出するために必要な固定資産税評価額とは、その土地や家屋の評価を総務大臣が定めたもので、固定資産課税台帳に登録されている価格のことです。
固定資産課税台帳は、取得した不動産のある都道府県の税事務所や役所で閲覧できます。
不動産会社を介して物件を購入した場合は、不動産会社でも確認できます。
この評価額は、土地の場合は時価の7割、住宅の場合は5〜6割が目安とされています。
免税について
以下に該当する場合は、不動産取得税を支払う必要はありません。
不動産所得税がかからないもの
- 土地の固定資産税評価額が10万円以下
- 建物の固定資産税評価額が12万円以下
- 新築・改築・増築した建物の固定資産税評価額が23万円以下
不動産取得税の軽減措置について
不動産取得税額は、土地と建物を合わせるととても高額になります。
そのため、不動産取得税には税負担を軽減してくれる制度があります。
新築住宅と中古住宅、建物と土地それぞれに条件があり、控除額が異なります。
新築住宅の軽減措置
以下の条件を満たす建物は「新築特例適用住宅」と呼ばれ、軽減措置が受けられます。
新築特例適用住宅の対象
- 課税床面積が50㎡以上240㎡以下(戸建て以外の賃貸住宅は1戸当たりが40㎡以上)
- 個人の居住を目的とした住宅全般(セカンドハウスも含む)
上記の条件を満たせば、建物の固定資産税評価額から1,200万円が控除できます。
つまり固定資産税評価額が1,200万円以下であれば税金はかかりません。
マンションなどの共同住宅は1住居につき1,200万円が控除されます。
建物とは別に、新築の建物が立っている宅地にかかる不動産取得税にも軽減措置が存在します。
以下の条件を満たすと控除が受けられます。
不動産所得税の控除対象
- 建てられた住宅が、新築特例適用住宅であること
- 住宅よりも先に土地を取得した場合、3年以内に建物を新築すること
- 建物の建築を先行していた場合、新築した人が1年以内にその土地を取得すること
土地の控除額の算出方法は2種類あり、控除額が大きい方が適用されます。
土地の控除額計算方法
- 45,000円の控除
- (土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積(200㎡まで)×2)×3%の控除
また、2021年3月31日までに不動産を取得した場合は、固定資産税評価額が2分の1になります。
中古住宅の軽減措置
中古住宅の場合は、新築住宅よりも適用条件が厳しくなります。
新耐震基準が適用された1982(昭和57)年以降に建築されたかが重要です。
軽減措置を受けるための建物の条件は、以下のとおりです。
軽減措置の条件(建物)
- 課税床面積が50㎡以上240㎡以下(戸建て以外の賃貸住宅は1戸当たりが40㎡以上)
- 個人の居住を目的とした住宅全般(セカンドハウスも含む)
- 以下のうちいずれか1つ
- 昭和57年1月1日以降に建築されている
- 昭和56年12月31日以前に建築された場合、新耐震基準に適合していることが証明できる
- 昭和56年12月31日以前に建築された場合、既存住宅売買瑕疵保険への加入が証明できる
- 新耐震基準に適合しないが、入居までに新耐震基準を満たす改修を行う
建物に対する控除額は、新築した日に応じて固定資産税評価額から控除されます。
新築年 | 建物の控除額 |
1997年4月1日~現在 | 1,200万円 |
1989年4月1日~1997年3月31日 | 1,000万円 |
1985年7月1日~1989年3月31日 | 450万円 |
1981年7月1日~1985年6月30日 | 420万円 |
1976年1月1日~1981年6月30日 | 350万円 |
1973年1月1日~1975年12月31日 | 230万円 |
1964年1月1日~1972年12月31日 | 150万円 |
1954年7月1日~1963年12月31日 | 100万円 |
新築住宅と同じく土地の適用条件もあります。
以下条件となります。
軽減措置の条件(土地)
- 建てられた住宅が、建物の軽減措置の条件を満たしていること
- 住宅よりも先に土地を取得した場合、1年以内に建物を取得すること
- 建物の取得を先行していた場合、取得した人が1年以内にその土地を取得すること
土地の控除額算出方法は、新築住宅の場合と同じです。
土地の控除額計算方法
- 45,000円の控除
- (土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積(200㎡まで)×2)×3%の控除
また、2021年3月31日までに不動産を取得した場合は、固定資産税評価額が2分の1になります。
不動産取得税の納税方法と軽減措置の申請方法について
納税までの流れ
不動産を取得した後は、取得した不動産がある自治体の都道府県税事務所に申告書を提出する必要があります。
不動産取得税の申告書は、都道府県税事務所の窓口やホームページで入手できるので、必要項目を記入して提出しましょう。
提出期日が不動産を取得した日から概ね20〜60日以内と自治体によって異なるので注意が必要です。
ここに注意!
「不動産を取得した日」とは、登記が完了した日を指します。契約を結んだ日や住み始めた日ではありません。
申告が終わると都道府県税事務所から不動産取得税の納付書が送られてくるので、期日内に納付しましょう。
納付書は、取得日の約半年後から1年後と忘れた頃に送付されるので、事前に準備をしておきましょう。
ただし、納税額が0円の場合は納付書が送られてこないこともあります。
支払い方法は都道府県税事務所の窓口かコンビニ払い、クレジットカード払いがあります。
ここに注意!
不動産取得税の通知書が送られてこない場合は、不動産取得税がかからない条件を満たした不動産を取得した可能性があります。免税対象かどうか確認してみましょう。
軽減措置の手続きの流れ
軽減措置を受けるためには都道府県税事務所に申請が必要です。
「不動産取得税課税基準の特例適用申告書」という書類を建物と土地用に2通用意します。
申告書以外には、主に以下の書類が必要になります。
不動産所得税がかからないもの
- 不動産取得税の納税通知書
- 印鑑
- 土地と住宅の売買契約書(住宅引渡証書)
- 住宅の登記事項証明書
申告書の提出は、不動産を取得した日から原則60日以内です。
都道府県税事務所によっては、不動産取得税の申告と同時に、軽減措置の手続きを自動で行なってくれるところもあります。
また、軽減措置をせずに納税をしても、不動産を取得した日から5年以内であれば差額が還付されます。
まとめ この記事が30秒で理解できる!
不動産取得税とは、土地や家の購入、建物を新築・改築・増築など不動産を取得した際に課される税金です。
固定資産税評価額に税率の4%をかけることで、納税額が求められます。
不動産取得税の計算方法
不動産取得税額 = 課税標準額(固定資産税評価額) × 4%
ただし、土地や建物の固定資産税評価額によっては税金はかかりません。
また、納税額が大きくなりやすい不動産取得税には軽減措置も存在します。
新築住宅と中古住宅で控除額が異なり、建物と土地のそれぞれに適用条件があります。
条件によっては大きな節税効果があるので、きちんと理解をして申請するようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。