こんな悩みはありませんか?
- 時価総額の計算方法が知りたい
- 時価総額は株式投資にどのように役立てるの
時価総額は、現在の株価に発行済株式数をかけることで、会社の価値や規模を分析できる指標です。
株式投資をする場合は、さまざまな指標をみて銘柄分析する必要がありますが、時価総額もそのひとつです。
本記事では、時価総額とは何か?時価総額の使い方などについて解説します。
時価総額とは
時価総額とは、簡単にいえば企業の規模や価値を測るときに使う指標です。
現在の株価に発行済株式数をかけることで、投資家から株式で調達した資金の総額を計算することができます。
時価総額を「企業の価値」と考えるにが一般的ですが、もっと生々しい表現を使うであれば、時価総額分のお金を支払えば、会社を丸ごと買収できるという意味です。
時価総額の計算式①
時価総額=現在の株価×発行済株式数
時価とは、株価市場において指定日に付いた価格のことを指しており、高級な寿司屋でも使われる言葉です。
Yahoo!ファイナンスによると、国内企業の時価総額が高い企業の上位5社は、以下の通りになります。(2020年度12月20日現在)
時価総額の単位は、「百万円」です。また、Yahoo!ファイナンスの、取引値は株価と同じ意味です。
順位 | 証券コード | 企業名 | 株価(取引値) | 発行済株式数 | 時価総額(百万円) |
1位 | 7203 | トヨタ自動車㈱ | 8,127 | 3,262,997,492 | 26,518,381 |
2位 | 9984 | ソフトバンクグループ㈱ | 9,885 | 2,089,814,330 | 15,197,130 |
3位 | 6758 | ソニー㈱ | 10,900 | 1,261,058,781 | 13,7445,541 |
4位 | 6861 | ㈱キーエンス | 52,520 | 243,207,684 | 12,773,268 |
5位 | 9437 | 日本電信電話㈱ | 2,755 | 3,900,788,940 | 10,746,674 |
トヨタ自動車㈱の時価総額を計算すると、トヨタ自動車㈱の株価は「8,127円」、発行済株式数は「3,262,997,492」です。
トヨタ自動車㈱の時価総額
26,837,719(時価総額)=8,127(株価)×3,262,997,492(発行済株式数)
時価総額は、株価と発行済株式数が分かれば、誰でも手軽に計算することができるので、投資前や、場合によっては就職活動に役立てみるといいでしょう。
時価総額が大きい企業とは
株式市場では、時価総額が高い企業は、うまく資金調達が行われていると評価されることから、一般的に安定した企業として評価されます。
企業側のメリットとしては、企業買収の対象になりにくく、買収側も手を出しにくくなります。
また、時価総額の高さは信用の高さに直結するので、さらに資金調達がしやすくなり、ますます時価総額が大きくなるという利点もあります。
投資家側としては、株式の流動性が高くなり、売買を活発に行えるメリットがありますが、一方で「テンバガー」になる銘柄のような大きく化ける銘柄が少なく、長期保有して大きな売買益を狙う取引は向いていません。
時価総額が小さい企業とは
時価総額が小さい企業は、一般的には企業価値が低いと評価されていますが、以下の3つに種別することができます。
- 株価「低い」× 発行済株式数「多い」
- 株価「高い」× 発行済株式数「少ない」
- 株価「低い」× 発行済み株式数「少ない」
このうち1の発行済み株式数が多い場合は、多くの投資家から注目されている株式となるので、企業価値が高い企業も存在します。
時価総額は小さいということは、企業規模がまだ小さいということになり、まだまだ成長余地が残されていると言い換えることができます。
2倍、3倍、中には10倍を超える銘柄も出てくるので、中長期的にみて、売買益と配当益の両方を狙える銘柄も出てきます。
時価総額だけの企業分析は不十分
株式投資を行う際に、時価総額を知ることは必要ですが、それだけでは不十分です。
時価総額は、企業が市場からどのくらい評価を受けているのかに過ぎず、株式で集めたお金を事業にどう活用しているのかまでは、数字上で測ることができません。
投資対象の銘柄を探すうえでは、事業の成長性や安定性などを総合的に評価する必要があり、それを判断するうえで会社四季報を活用して、企業分析を行うのが一般的です。
さらに詳しく!
時価総額から株価の割高・割安を判断することができるのが「PSR」です。
PSR(Price to Sales Ratio)とは、時価総額を年間売上高で割ったものです。和訳すると「株価売上高倍率」です。
一般的に、PSRは20倍以上なら割高、0.5倍以下なら割安といわれており、この数値がひとつの指標となります。
時価総額の使い方
時価総額は、銘柄選定の際に使うと、業界分析を行うことができます。
気になる銘柄を見つけたら、同業他社の株価と比較することが重要ですが、時価総額も比較することがおすすめです。
例えば自動車業界で大手のトヨタ、ホンダ、日産を比較すると、比較的トヨタの株価は高く、日産の発行済株式数が一番多いことがわかります。
企業名 | 株価(取引値) | 発行済株式数 | 時価総額(百万円) |
トヨタ自動車㈱ | 8,127 | 3,262,997,492 | 27,079,616 |
ホンダ(本田技研工業㈱) | 3,232 | 1,811,428,430 | 5,854,537 |
日産自動車㈱ | 547.7 | 4,220,715,112 | 2,311,686 |
このように、自動車業界と業界の上位に絞っても、株価と発行済み株式数は企業によって全く違います。
一般的に横並びに考えられるトヨタ、ホンダ、日産も、時価総額を導くと企業価値の差は一目瞭然なことがわかるでしょう。
まとめ この記事は30秒で理解できる!
時価総額とは、現在の株価に発行済株式数をかけることで、企業の価値・規模を分析できる指標です。
時価総額は、平たく言えば「企業の価値」、生々しくいえば「会社を丸ごと買収する金額」であり、以下で計算します。
時価総額の計算式①
時価総額=現在の株価×発行済株式数
時価総額は、企業価値を知るために活用する指標であるものの、大きければ良い、または小さければ悪いというものでもなく、株式投資家からすれば銘柄選定をする一材料でしかありません。
投資対象の銘柄を探すうえでは、事業の成長性や安定性などを総合的に評価する必要があり、それを判断するうえで会社四季報を活用して、企業分析を行いましょう。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。