こんな悩みはありませんか?
- 会社四季報を株式投資にどう活用すればいいの?
- 会社四季報は4号それぞれにどんな特徴があるの?
- 会社四季報はいつ発売されるの?
会社四季報とは、業界担当記者が、日本の全上場企業の特徴や、株式に関連する情報(財務・業績予測・株主・役員)などをまとめた会社情報誌です。
大多数の株式投資家は会社四季報を愛読しており、「会社四季報が読めるようになる」ことが、株式投資の入り口ともいえます。
そんな会社四季報は年4回発売され、それぞれ異なった特徴があるため、株式投資を行う上でもその違いを理解することは重要です。
この記事では、会社四季報の各号の特徴を、これから株式投資を始めたい方にも丁寧に解説していきます。
会社四季報の基本的な使い方は別記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。 続きを見る株式投資|会社四季報の基礎的な使い方を5分で解説!
目次
会社四季報の発売時期
会社四季報は、年に4回発売され「3集夏号・4集秋号・1集新春号・2集春号」と各号に名称がついています。
会社四季報の発売時期は「決算」に連動している
会社四季報は、会社情報をまとめた情報誌のため、決算期と連動して発売されます。
2003年から全上場会社は、四半期決算が義務化されました。そのため、決算の時期に合わせて年4回発売されるのです。
中でも、第4四半期の決算を本決算と呼び、前期1年間の業績結果と、今期1年間の業績予想が報告される決算となるため、とりわけ重要な決算です。
また、上場企業の70%が3月末決算を採用しています。そのため、4月1日~翌年3月31日までを1期と考えて問題ありません。
3月末 | 6月末 | 9月末 | 12月末 | |||||
本決算 (4Q決算) | 第1四半期 (1Q決算) | 中間決算 (2Q決算) | 第3四半期決算 (3Q決算) |
会社四季報が発売されるタイミング
会社四季報は決算時期に連動して発売されますが、決算してすぐに発売される訳ではありません。
決算の時期を迎えても、そこから企業内でデータを集計したり、報告資料をまとめたりするため、決算からだいたい1ヶ月後に企業の決算報告がされます。
その決算報告を受け、会社四季報でデータを取りまとるため、会社四季報が発売されるタイミングは、決算から約3か月後です。
3月末 | 6月末 | 9月末 | 12月末 | |||||
本決算 (4Q決算) | 第1四半期 (1Q決算) | 中間決算 (2Q決算) | 第3四半期決算 (3Q決算) | |||||
3集夏号 | 4集秋号 | 1集 新春号 | 2集 春号 | |||||
6月中旬発売 | 9月中旬発売 | 12月中旬発売 | 3月中旬発売 |
会社四季報各号それぞれの特徴
会社四季報は、株式投資家にとって重要なアイテムですが、各4号それぞれで大事なポイントが変わってきます。
この章では、各号それぞれのポイントについて解説していきます。
会社四季報 3集夏号
6月中旬に発売される四季報3集夏号は、昨年の結果を振り返り、今季1年間の業績予想を立てる本決算の重要な号です。
3集夏号は、今季1年間を占う最初の号になるので、業績予想次第では株価に大きな影響を及ぼします。
中でも、今季の業績予想に関しては、本年度の商売をまだやっていない状況で立てた予想のため、企業は慎重に数字を出してくる可能性が高いです。
本決算で提示される業績予想に対して、1年後の業績結果が大きく下方修正されれば、株価の低下が予想されます。
そのため、期初の業績予想は慎重に設定しておいて、四半期決算で上方修正を狙うのが企業側にとっての一般的な戦略です。
また、3集夏号では、記者評価も注目すべきポイントです(下記画像の赤く囲んだ部分です)。
記者評価は、会社四季報の担当記者が、分析をもとに書いた参考意見であり、株式を選択する上での貴重な判断材料になります。
記者評価が上々であれば、業績も良好と評価できる材料になります。
2020年はコロナウイルスの影響で前代未聞の事態に
通常3集夏号には、企業の業績予想が掲載されますが、2020年はコロナウイルスの影響で、業績予想を公表しない企業が相次ぎました。
3月決算の場合、4月5月に報告をまとめ6月中旬に掲載されますが、コロナ禍で先行きが見通せないとして、半数以上の企業が業績予想を見送っています。
東京証券取引所は2日、2020年3月期決算発表状況(5月末時点)の集計結果をまとめた。全体の56.4%(1266社)が21年3月期の業績予想を未定か非開示とした。
出典:日本経済新聞
これほどの事態は過去に例がなく、コロナウイルスによる経済への先行き不安が、業績予想からもモロにわかる事態となっています。
会社四季報 4集秋号
9月中旬に発売される四季報4集秋号は、本決算で立てた業績目標の第1四半期決算時点での進捗を確認する号です。
業績予想に対して約3ヶ月の業務を行い、想定よりも見通しが好調か、予想通りか、不調かの判断を行うことに使えます。
例年であれば、第1四半期に業績予想を変更する企業は少なく、多くの場合は予想据え置きになります。
一方でコロナ影響化の2020年は、緊急事態宣言による「STAY HOME」の影響で、外食産業や旅行産業などが大きく減収した一方で、生活必需品や食料品などの産業や、在宅勤務をサポートするICT産業などが増収するなど、明暗がはっきり分かれました。
会社四季報 1集新春号
12月中旬に発売される四季報1集新春号は、本決算から半年経ち、中間決算が発表されます。
第1四半期決算では、本決算から大きく戦略が変わることがほとんどないため、数値の報告がメインになりますが、中間決算は本決算から半年経っているため、経営戦略の見直しが行われる場合があります。
中間決算で上方修正する企業の約8割は、本決算でも上方修正する傾向にあるため、中間決算はそれだけ投資家にとっても大きな役割があります。
そのため、一般的には中間決算で上方修正した企業の株価は上昇傾向にあり、株式投資家にとっては狙い目といえます。
ここがポイント!
中間決算で下方修正で株価が上昇することもあります。一般的には、業績が予想よりも悪い場合は、株価も連動して下がると思いガチですが、信用取引の影響や、踏み上げと呼ばれる値動きをする場合もあるため、上方修正の株式が狙い目とは一概にはいえません。
会社四季報 2集春号
3月中旬に発売される四季報2集春号は、本決算前の第3四半期決算の報告がされます。
3月の期末決算を踏まえ、今季業績の着地点と、来期予想に注目が集まるのが特徴です。とはいえ、4期の決算の中では、もっとも注目度が低いという特徴もあります。
企業は年度末までは、追い込みで業績をあげるために必死です。
年度末までを見据えた業績を慎重に判断するため、第3四半期決算では業績予想をほとんど変えません。
ただし、本決算からみて、順調に業績を伸ばしてきている企業を判断する材料になるため、来期の業績予想をしはじめる場合などは活用できます。
つまり、年間の決算の流れをつかむ役割と、来年度に向けての判断材料となる役割を担っているのです。
まとめ 30秒でこの記事が理解できる!
この記事では、会社四季報の各4号について解説しました。
一般的な決算のタイミングと、会社四季報が発売されるタイミングは以下の通りです。
3月末 | 6月末 | 9月末 | 12月末 | |||||
本決算 (4Q決算) | 第1四半期 (1Q決算) | 中間決算 (2Q決算) | 第3四半期決算 (3Q決算) | |||||
3集夏号 | 4集秋号 | 1集 新春号 | 2集 春号 | |||||
6月中旬発売 | 9月中旬発売 | 12月中旬発売 | 3月中旬発売 |
各決算でそれぞれ特徴があるため、会社四季報も各号で異なった役割を担っています。
そのため、年間を通じて会社四季報を活用することが、投資対象を選定する上でも重要な役割を担っているといえるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
会社四季報には、紙版とオンライン版があります。これから株式投資をはじめたい人には、どちらがおすすめなのか?会社四季報の紙媒体とオンラインの比較で解説をしています。 続きを見る【比較】会社四季報の紙媒体とオンライン、どっちがおすすめ?