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【5分でわかる】ふるさと納税のやり方|2種類の手続き完全ガイド

ふるさと納税

こんな悩みはありませんか?

  • ふるさと納税について詳しく知りたい
  • ふるさと納税の申請方法や計算方法を知りたい
  • ふるさと納税でどれだけお得になるか知りたい
所得税や住民税を抑える良い方法は何かないかな?
ふるさと納税を利用するのがオススメかな!返礼品がもらえるのでとってもお得だよ。
MONEBLO

近年、注目が集まっているふるさと納税は各地域の返戻品がもらえるだけでなく、所得税の還付や住民税の控除が受けられます。

ちなみに「還付」とは元の持ち主に返すこと、ある金額から一定額を差し引くことです。

所得税の還付や住民税の控除が受けられるのは寄附金控除制度を利用しているからです。所得税はこちらの記事で詳しく解説しています。

それではふるさと納税について詳しく解説します。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税は、あなたが生まれた土地や思い入れのある場所などに寄付をし、地域の活性化に貢献する制度です。そして寄付のお礼にその地域の名産品などが寄付者には送られます。その土地へ行かずとも、全国の名産品を楽しめるのがふるさと納税の魅力ですね。

ふるさと納税で寄付をした人の約3人に1人が実際にその地域を訪れています。名産品の知名度も相まって地域の活性化に繋がっています。

そしてもう一つふるさと納税の特筆すべき点は、寄附額のうち2,000円を超える金額を、所得税の還付と住民税の控除が受けられることです。

税金の控除を受けるためには、2種類の手続き方法があります。1つ目は確定申告による申請です。そして、もう1つはワンストップ特例制度を利用する方法です。それぞれ特徴があるので、自分に合った申請を行いましょう。

本記事では2種類のふるさと納税の申請方法について詳しく解説いたします。

2種類の「ふるさと納税」申請方法の特徴

ふるさと納税の確定申告とワンストップ特例制度では、寄付できる自治体の数が違ったり、まとめて申請できるかどうかが違います。それぞれ見てみましょう。

確定申告ワンストップ特例制度
手続き複雑簡単
1年間で寄付できる自治体数制限なし5つまで
申請方法確定申告時にまとめて1つの自治体ごとに申請
還付と控除の範囲所得税の還付と住民税の控除住民税の控除
申請の手続き寄付した翌年の確定申告まで寄付した翌年の1月10日まで

一見すると、ふるさと納税の確定申告をした方が、優遇されているように見えます。特に確定申告の場合は、所得税の還付と住民税の控除の両方があるので、税制上有利なのでは?と思ってしまいます。

ところが、ワンストップ特例の住民税は、確定申告時の所得税の還付を考慮した控除額になるよう計算されるので、いずれの制度を利用しても戻ってくる税金は同じです。

さらに詳しく!

厳密にいえば、手続きが煩雑な確定申告を選んだ方が税金が優遇される場合があります。以降で説明する控除上限額を超えてふるさと納税してしまった場合などは、住民税の控除を最大限に使えません。

給与所得者であるサラリーマンは、煩雑な確定申告を選ぶよりも、多くの場合ワンストップ特例制度がおすすめです。申請書1枚だけで済むので簡単です。

MONEBLO
ちなみに個人事業主の方は、確定申告しなければいけないので、ワンストップ特例制度を利用できません。

ふるさと納税の控除申請手続き

ふるさと納税の確定申告とワンストップ特例制度では、申請の条件や必要なものが異なります。それぞれ見ていきましょう。

確定申告の場合

確定申告とは1年(1月1日〜12月31日)の総所得と税金を計算し、税務署に納税をします。確定申告は個人事業主や不動産収入のある方が行います。

そのため通常はサラリーマンなどの給与所得者が確定申告を行う必要はありません。しかし以下の条件に当てはまる方は、ふるさと納税の申請でも確定申告が必要となります。

  • 1年間で6つ以上の自治体に寄付をした方
  • 寄付をした自治体でワンストップ特例の申請漏れがある方

ふるさと納税の控除手続きを確定申告でする場合、以下の5つが必要です。

  • 寄附金受領証明書 (寄付した自治体から返礼品と一緒に送付)
  • 源泉徴収票
  • 還付金受取用口座番号
  • 印鑑
  • マイナンバーカード (通知カードと本人確認書類でもOK)

確定申告の流れに沿って、申請書の作成と提出を行えば手続きは完了です。

所得税は確定申告の約1〜2ヶ月後に還付されます。住民税は確定申告をした6月から翌年5月まで毎月控除されます。

ワンストップ特例制度の場合

ワンストップ特例制度は確定申告なしで控除が受けられる制度です。以下の条件に当てはまる方が対象となります。

  • 給与所得者で確定申告が必要ない方
  • 1年間に寄付した自治体の数が5つ以内の方

ワンストップ特例制度を利用し控除手続きをする場合、以下の5つが必要です。

  • 寄附金税額控除に係る申告特例申請書 (寄付の申し込みの際に送付を希望する)
  • マイナンバーカード (通知カードと本人確認書類でもOK)

寄附金税額控除に係る申告特例申請書の必要項目を記入し、各自治体に送付したら完了です。

寄付をした翌年の1月10日までに、自治体に書類が届くように発送してください。その年の6月から12ヶ月間、住民税が毎月控除されます。

ワンストップ特例制度の場合は所得税の還付はされず、住民税の控除のみです。

ワンストップ特例制度を利用した後に確定申告を行った場合は、ワンストップ特例の申し込みは無効化されます。ワンストップ特例分も確定申告を行いましょう。

ふるさと納税の控除額について

ふるさと納税の実質自己負担額はたったの2,000円です。つまり、2,000円の負担で素晴らしい特産品を受け取れ、地域の活性化にも貢献できるのです。

それでは控除額について解説します。

ふるさと納税の控除額の計算方法

所得税の還付金 = (ふるさと納税額 – 2,000) × 所得税の税率
所得税の税率は所得により5%〜45%に区分されます。

住民税の控除は基本分と特例分に分けられます。

住民税の控除額(基本分) = (ふるさと納税額 – 2,000) × 10%
住民税の控除額(特例分) = (ふるさと納税額 – 2,000) × (100% – 10%(基本分) – 所得税の税率)

具体的な控除額の計算

寄付金が10,000円の場合で計算します。

所得税の還付金 = (10,000– 2,000) × 10% = 800(円)
住民税の控除額(基本分) = (10,000 – 2,000) × 10% = 800(円)
住民税の控除額(特例分) = (10,000 – 2,000) × (100% – 10% – 10%) = 6,400(円)
控除額 = 800 + 800 + 6,400 = 8,000(円)
実質負担額=10,000-8,000=2,000(円)

実質負担額は2,000円です。ただし控除額には上限があります。以下の式で求められます。

控除上限額 = $\frac{個人住民税所得割額 × 20%}{100% – 住民税基本分 – (所得税率 × 復興税率)}$ + 2,000

個人住民税所得割額とは、所得に応じて払う住民税の金額のことです。

控除上限額を求める式は複雑なので参考程度に覚えておいてください。

実際に上限額を確認するときはこちらの表をご覧ください。

給与収入(年間)独身もしくは配偶者
控除のない
共働き夫婦
夫婦のみ
(配偶者控除あり)
夫婦(配偶者控除あり)と
子(16歳以上19歳未満)
年金暮らしの夫婦
300万円28,000円19,000円11,000円19,000円
350万円34,000円25,000円17,000円28,000円
400万円43,000円33,000円25,000円36,000円
450万円53,000円41,000円32,000円45,000円
500万円61,000円49,000円40,000円59,000円
550万円70,000円61,000円49,000円68,000円
600万円77,000円68,000円60,000円78,000円
650万円98,000円76,000円68,000円100,000円
700万円109,000円85,000円77,000円111,000円
750万円120,000円109,000円87,000円122,000円
800万円131,000円120,000円111,000円134,000円
850万円141,000円130,000円120,000円146,000円
900万円153,000円141,000円132,000円158,000円
950万円165,000円153,000円144,000円172,000円
1000万円177,000円165,000円156,000円185,000円
1500万円384,000円380,000円368,000円
2000万円552,000円546,000円534,000円
3000万円1,034,000円1,027,000円1,013,000円
5000万円2,056,000円2,046,000円2,031,000円
1億円4,316,000円4,312,000円4,297,000円

*あくまでも目安です。

ふるさと納税の問題点

ふるさと納税は一見するとメリットしかないように思われますが、問題点も存在します。

それは注目を集めたいがために、返礼品のいきすぎたお土産競争が発生する懸念です。返礼品を豪華にすれば良いというわけではありません。

そしてもう一つは地域格差ができてしまう点です。返礼品の差により寄付がたくさん集まる地域、あまり集まらない地域で経済格差が生まれてしまいます。

そもそもふるさと納税は自治体が返礼品を送る義務はありません。寄付をすることで、地域の発展に貢献することが1番の目的です。寄付金がどのように使われるかを知っておくことも大切です。ふるさと納税の本来の目的を忘れないようにしましょう。

まとめ この記事が30秒で理解できる!

今回はふるさと納税がどれほどお得かを解説しました。返礼品が貰えて、社会貢献もできるなんて素晴らしいですよね。

ただし、たった2,000円で特産品が買える制度という認識は持たないでください。寄付をした後に税金の控除を受けることで実質負担が2,000円で済むということです。

ここ数年で飛躍的に盛り上がりを見せるふるさと納税を、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。それと同時に税金や行政への興味も高まるでしょう。

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ライター未経験ながら2020年ブログ執筆開始。税金や就業規則の記事を担当しています。 とっつきにくい分野のため、わかりやすい言葉で解説することを心がけてます。

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