こんな悩みはありませんか?
- e-Tax(イータックス)のメリットについて知りたい
- e-Taxで確定申告を行う事前準備について知りたい
e-Tax(イータックス)を利用して確定申告を行うと自宅で手続きが完了し、青色申告特別控除の65万円控除をうけることができます。
e-Taxを行うには、ICカードリーダーの購入や、利用者識別番号の取得などの事前準備が必要となるため、この記事では「e-Taxのメリット」「e-Taxを利用するための事前準備」について解説します。
2021年版の確定申告のやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【2021年版】令和2年ぶん確定申告のまとめ|申請書の書き方や申請方法について解説
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それでは、本編をどうぞ!
目次
e-Tax(イータックス)とは
e-Tax(イータックス)とは、所得税、消費税、贈与税、印紙税、酒税等の税金の申告、法定調書の提出、届出、申請をインターネットを通じて行うことができるサービスです。
個人事業主や法人だと、毎年行われる確定申告が煩雑ですが、e-Taxであれば自宅でできるのでかなり楽です。
また、税金の納付もダイレクト納付やインターネットバンキング、Pay-easy対応のATMを利用して行うことができます。
以下は利用可能な申告手続きと申請・届出手続きです。
申告手続き | 申請・届出手続き |
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さらに詳しく!
2019年からは、スマホから国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、電子申告(e-Tax)ができるようになりました。2020年にはiPhone・Andoroidの両機種で一部の機能は利用できるようになり利便性が上がっています。
しかし、スマホ版では、給与所得(2カ所以上も可)、公的年金等の雑所得、一時所得とすべての所得控除のみが対象です。サラリーマンで医療費控除などの還付を受ける場合や、雑所得扱いとなる副業の収入がある場合はスマホで確定申告の手続きが可能です。
しかし2021年現在において、個人事業主や法人の事業の確定申告はスマホだけではできず、パソコンを使った確定申告を行わなければなりません。
所得の10種類|総合課税と分離課税の違いを解説!【FP監修】ややこしい配当所得の解説付き
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e-Tax(イータックス)のメリット
e-Tax(イータックス)は煩雑な納税が簡単になるほか、青色申告特別控除の最大65万円の控除が受けられます。
自宅で確定申告が行える
e-Taxで確定申告を行う1番のメリットは、税務署に行くことなくインターネットで手続きが完了する手軽さではないでしょうか。
確定申告に必要な書類を印刷して郵送する必要もなく、申告期間中は24時間いつでもe-Taxで申告可能です。
添付書類の提出は不要
税務署で確定申告をする際は、社会保険料控除証明書等の様々な証明書を提出する必要があります。
しかし、e-Taxで確定申告をすると、以下の書類の提出は不要です。
提出不要の書類
- 給与所得者の源泉徴収票
- 年金受給者の源泉徴収票
- 社会保険料控除の証明書
- 生命保険料控除の証明書
- 地震保険料控除の証明書
- 住宅ローン控除の借入金年末残高証明書(2年目以降)
- 医療費控除の領収書
- 寄付金控除の証明書
- 特定口座年間取引報告書
- 雑損控除の証明書
ただし、税務署から提出や提示を求められた際には提示や提出に応じる必要があるので、各書類は最低5年間は保管しておく必要があります。
青色申告者は控除額が10万円アップ
国はe-Taxでの申告を推奨しており、青色申告者は2020年度以降にe-Taxで確定申告をすると青色申告特別控除額が10万円アップします。
2018年(平成30年)度の税制改定により、2020年(令和2年)分の確定申告以降、青色申告特別控除額65万円が55万円に減額されます。
しかし、誰にでも適用される基礎控除額は38万円から48万円に増額されたのでプラスマイナスは0です。
e-Taxで青色申告の手続きを行えば、控除額は65万円のままなので10万円分の節税に繋がります。
還付のスピードが早い
還付される税金がある場合、紙での確定申告と比較してe-Taxは還付のスピードが速いというメリットがあります。
通常、税務署で確定申告を行うと還付まで1ヶ月~1ヶ月半の時間が必要です。一方でe-taxの場合は、3週間程度で還付されます。
e-Tax(イータックス)の事前準備
e-Tax(イータックス)で確定申告を行うためには、以下の事前準備が必要です。
確定申告の時期よりも1ヶ月以上早く準備することがおすすめです。
e-Taxの準備
- e-Taxが利用できるパソコンのOSやブラウザ環境に整える
- マイナンバーカードの購入
- ICカードリーダライタの購入
- ソフトウェアのインストール
- 利用者識別番号の取得
これらの準備が面倒だと感じる方もいるでしょう。事前準備に関してはこの後詳しく解説します。
準備1. e-Taxが利用できるパソコンのOSやブラウザ環境に整える
e-Taxを利用するためには、パソコンを以下を満たす環境に整備する必要があります。
WindowsとMacのパソコンどちらも対応していますが、OSはGoogle Chromeには対応していません。
Windows
OS | ブラウザ | PDF閲覧ソフト |
Microsoft Windows 7 | Internet Explorer 11(32bit版) | Adobe Acrobat Reader DC |
Microsoft Windows 8.1(デスクトップモードのみ) | ||
Microsoft Windows 10 |
Mac
OS | ブラウザ | PDF閲覧ソフト |
Mac OS 10.8 (Mountain Lion) | Safari 6.2 | Adobe Acrobat Reader DC |
Mac OS 10.9(Mavericks) | Safari 7.1 | |
Mac OS 10.10(Yosemite) | Safari 8.0 |
さらにハードディスクの空き容量が2GB以上必要です。
準備2. マイナンバーカードの発行
データ作成者が本人であるかの確認をするために、マイナンバーカードに組み込まれている電子証明書を用います。
すでに他の電子証明書をお持ちでも、新たにマイナンバーカードの交付を受けた場合は、本人確認にマイナンバーカードをご利用下さい。
マイナンバーカードの申請方法は、交付申請書の郵送、専用サイトから申請、街中の証明写真機から申請できます。詳しくは「マイナンバーカードの専用サイト」をご覧ください。
交付通知書が届いたら、本人確認書類と共に交付窓口で暗証番号を設定すると、マイナンバーカードが交付されます。マイナンバーカードに内蔵されている電子証明書は以下の2種類です。
電子証明書 | 利用用途 | 暗証番号 |
署名用の電子証明書 | e-Taxの送信時の本人確認用 | 英数字6文字以上16文字以下 |
利用者証明用の電子証明書 | マイポータルなどへログインする際の本人確認用 | 数字4桁 |
マイナンバーカードの有効期限は発行日から10回目の誕生日までですが、電子証明書の有効期限は発行日から5回目の誕生日までと、有効期限が異なるので注意が必要です。
準備3. ICカードリーダライタの購入
マイナンバーカードに内蔵されている電子証明書を読み取るためには、ICカードリーダライタが必要です。
ICカードリーダライタの中には、公的個人認証サービスに対応していない製品があるので、e-Taxに対応している商品を購入しなければいけません。
e-Taxに対応しており、公的個人認証サービスでも推奨されている以下商品がおすすめです。
購入後、パソコンに接続して使用しますが、ドライバのインストールを行う必要があるので、事前に済ませておきましょう。
準備4. ソフトウェアのインストール
e-Taxを利用するために「事前準備セットアップ」ツールをインストールする必要があります。
「事前準備セットアップ」ツールはe-Taxソの利用に必要なソフトウェアのインストール及び設定をまとめて行うことができる便利なツールです。
お使いのパソコンのOS、ブラウザに対応したツールをパソコンにダウンロードした上でご利用ください。セットアップファイルは更新されるので、毎年インストールをしましょう。
準備5. 利用者識別番号の取得
e-Taxを利用するためには、「電子申告・納税等開始届出書」を税務署に提出する必要があります。
開始届出書は、e-Taxのサイトからオンラインで送信することも可能です。
届出が完了したら、ログインに必要な利用者識別番号が表示されます。その後、利用者識別番号に電子証明書の登録を行います。
さいごに この記事が30秒で理解できる!
e-Taxとは、所得税等の税金の申告、法定調書の提出、届出、申請をインターネットを通じて行うことができるサービスです。
申告期間中は24時間、いつでも自宅で確定申告が可能なのが最大の特徴です。さらに青色申告特別控除額が10万円アップするというメリットもあります。
ただし、e-Taxの利用前に準備が必要なので、事前に準備しておくことを推奨します。