こんな悩みはありませんか?
- 一時所得の計算方法や税率が知りたい!
- ふるさと納税の返戻金がいくらの所得になるのか知りたい!
一時所得は、ふるさと納税の返礼品や、懸賞金や馬券の払戻金など、臨時収入による所得です。
一時所得は、20万円以上だと確定申告の必要があり、50万円以上で課税されます。
特にふるさと納税の返戻金は、米・肉・野菜などと物品の場合があり、どのように一時所得を計算するかわかりづらいです。
この記事では、一時所得の税率と計算方法、ふるさと納税の返戻金をはじめ、一時所得に該当する所得について解説します。
それでは、本編をどうぞ!
目次
一時所得とは
一時所得とは、名前の通り一時的な所得のことを言います。
営利を目的とした継続的な行為から得られる所得、労働の対価や資産の譲渡による所得は該当しません。
一時所得は以下の要件を満たすものです。
- 一時的な所得であること
- 労働によって得た所得ではない
- 資産の売却によって得た所得ではない
- 営利を目的とする継続的な行為からから生じたものではないこと
ふるさと納税の返礼品
ふるさと納税を行い、納税した自治体からの特産物などの返礼品は一時所得に該当します。
一般的には、返礼品の価値は寄付金額の3割程度とされているため、課税対象として金額を算出する場合は寄付金額から逆算して求められます。
返礼品が、商品券などの金券であれば額面金額で評価しますが、米・肉・野菜等の物品の場合は、その物品が本来いくらで販売されているのかを基準に評価されます。
しかし、個別の返礼品の時価を調べるのは容易ではないため、寄付金の3割相当額が返礼品となっていることを大前提のルールとして、寄付金の3割程度を評価額として処理されます。
ふるさと納税の返礼品以外の一時所得
賞金や商品
雑誌や懸賞サイトの懸賞、テレビの企画や福引などによる賞金や賞品は、一時所得に該当します。
賞金以外にも車や旅行券、家電などが当選した場合は、賞品を時価に換算した金額が一時所得として扱われます。
公営ギャンブルの払戻金
競馬や競輪、競艇、オートレース、ボートレースなどの公営ギャンブルでの払戻金は一時所得に該当します。
一方で、宝くじやロトの当選金は一時所得に含まれますが、所得税や住民税が課税されない非課税の所得として扱います。
宝くじが当選した時は、金融機関から「当選証明書」を受け取っておくと良いでしょう。
当選証明書があれば、万が一税務署から高額金の出処に関して問い合わせがあっても、宝くじの当選金であることが証明できます。
また、パチンコやスロットは「娯楽の範囲内でギャンブルではない」とされているため、公営ギャンブルではありません。
パチンコやスロットで得た所得は、一般的には一時所得には該当しません。同じ払戻金でも、競馬や競輪などの公営ギャンブル以外は非課税の所得です。
しかし、会社勤めでパチンコやスロットで20万円以上の所得がある場合や、パチプロやスロプロのように専業で稼いでいる場合など確定申告が必要なこともあります。
保険の一時金や満期払戻金
加入している生命保険や損害保険の一時金や満期返戻金、解約返戻金は一時所得に該当します。
年金形式で受け取る場合は雑所得となるので、受け取り方で税金が違うと覚えておいてください。
法人からの贈与
法人から資産の贈与を受けた場合のみ一時所得に該当し、金額に応じた所得税を納める必要があります。
一方で個人から個人に財産が贈与された場合は、所得税の代わりに贈与税が課税されます。
落し物などの報労金
遺失物を拾得した場合や埋蔵物を発見した場合に受け取る「報労金」は、一時所得に該当します。
また、遺失物の持ち主が見つからなかった場合は、その財産の全てが拾得者に渡されるが、その場合も一時所得に該当します。
一時所得に課税される所得税の計算方法
課税所得金額を計算
課税所得金額は以下の式で求められます。
一時所得の課税所得
一時所得の課税所得金額 = (総収入金額 − 収入を得るために支出した金額 − 特別控除額(最高50万円)) × 1/2
一時所得の課税所得金額は、総収入金額から必要経費と50万円の特別控除額を引き、さらに2で割ります。
つまり、総収入金額から必要経費を引いた金額が50万円以下なら所得税はかかりません。
また、年末調整をするサラリーマンで、一時所得の課税所得金額が20万円以下であれば、確定申告の必要はありません。
所得税を計算する
一時所得の課税所得金額を他の所得金額と合計し、総所得金額を求めます。その金額に応じた税率をかけることで所得税が求められます。
総所得金額に応じた税率と控除額は以下の表からご確認ください。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え、330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え、695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え、900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え、1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え、4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超え | 45% | 4,796,000円 |
ここに注意!
一時所得は損益通算と呼ばれる赤字と黒字を相殺する制度を利用できません。損益通算できる所得は不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得のみです。
したがって競馬や競輪で赤字になったとしても、他の所得で補填する事はできません。
例 ふるさと納税の返戻金が40万円、賞金が20万円の場合
ふるさと納税の返戻金が40万円、賞金が20万円あった場合など、2種類の一時所得が発生した場合は、合算して一時所得を計算します。
一時所得の課税所得
一時所得の課税所得金額 = ((ふるさと納税の返戻金40万円 + 賞金20万円)− 支出0円 − 特別控除50万円) × 1/2 = 5万円
この場合は、一時所得の合計は60万円となり5万円が課税対象となります。
合算することに注意しましょう。
生命保険金に課税される税金について
生命保険金は被保険者、保険料負担者、保険金受取金の関係によって、課税される税金の種類が変わります。
例えば、被保険者が父親、保険金受取人が子供の場合に、課税される税金は保険料負担者よって以下の表のようになります。
被保険者 | 保険料負担者 | 保険金受取人 | 税金 |
父親 | 父親 | 子供 | 相続税 |
父親 | 子供 | 子供 | 所得税 |
父親 | 母親 | 子供 | 贈与税 |
この表では、子供が父親に生命保険をかけ、子供が保険金受取人の場合、課税される税金は所得税になります。
保険金を一括で受け取る場合は一時所得、年金型で受け取る場合は雑所得になります。
生命保険金を一時所得として受け取る場合の課税所得金額は以下の式で求められます。
生命保険金の課税所得
生命保険金の課税所得金額 = (保険金額 − 支払った保険料 − 特別控除額(最高50万円)) × 1/2
低金利での運用が続き、支払った保険料より受け取った保険金の方が少なく、結果的に赤字になってしまうこともあるでしょう。
この場合は所得がマイナスなので確定申告をする必要はありませんが、一時所得は損益通算ができません。
さいごに この記事が30秒で理解できる!
一時所得は以下の要件を満たす所得のことです。
- 一時的な所得であること
- 労働によって得た所得ではない
- 資産の売却によって得た所得ではない
- 営利を目的とする継続的な行為からから生じたものではないこと
具体的には、雑誌や懸賞サイトの賞金、公営ギャンブルの払戻金、保険の一時金や満期払戻金、法人からの贈与、ふるさと納税の返礼品、落し物の報労金が当てはまります。
また、一時所得は50万円の特別控除が受けられるので、総収入金額から必要経費を引いた金額が50万円以下なら、所得税はかかりません。