こんな悩みはありませんか?
- 源泉徴収票のみかたが知りたい
- 源泉徴収票はいつ必要なのか知りたい
12月から1月に会社から配布される源泉徴収票ですが、しっかりと内容を見ている人は意外と少ないのではないでしょうか。
源泉徴収票には給与や所得税など大事な情報がたくさん記載されており、転職や確定申告の際に必要になります。
本記事では源泉徴収票とは何か、どのような内容が記載されているかなどをわかりやすく解説します。
目次
源泉徴収票とは
源泉徴収票とは、1年間に会社から支払われた給与やボーナス、各種手当などを合わせた支給額と、納めた所得税の金額が記載されている書類のことです。
所得税は健康保険や厚生年金などの社会保険、保険料控除や配偶者控除を差し引いた、「課税所得」に対して課されます。
そのため、どのような流れで所得税の金額が決まったかを源泉徴収票で把握することができます。
所得税の計算方法はこちらで解説しています。 続きを見る5分で理解!所得税の税率は?計算方法は?年末調整で節税する方法!
会社から源泉徴収票が発行されるのは、年末調整の計算完了後の12月~翌年の1月です。
または、勤務先を退職したときに、退職から1ヵ月以内に発行されます。
さらに詳しく!
そもそも源泉徴収とは毎月の給与から所得税を差し引くことを指します。
会社が源泉徴収を行い、従業員の代わりに所得税を収めることで、従業員が確定申告をすることなく納税忘れ等のトラブルも防げます。
ただし、源泉徴収で支払われた所得税額は保険料控除などが反映されていないので、実際に納めるべき額とずれが生じます。
年末調整を行うことで、そのずれ(差分)を調整します。
源泉徴収票の見方
実際に源泉徴収票に記載されている内容について4つのポイントを解説します。
支払金額
源泉徴収票の「支払金額」の欄(図①)には、給与やボーナス、役職手当や残業手当等の各種手当を含めた、会社が従業員に支払った「総支給額」が記載されています。
一般的に、年収は源泉徴収票における支払金額を指します。
支払金額には、一定金額以下の通勤手当や旅費など非課税の手当は支払金額に含まれていません。
給与所得控除後の金額
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」の欄(図②)には、支払金額から給与所得控除額を差し引いた金額が記載されています。
控除額は支払金額に応じて決まります。支払金額が年収と言われるのに対し、給与所得控除後の金額は所得を指すことが多いです。
給与所得控除(令和2年目以降)給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
162万5,000円以下 | 55万円 |
162万5,000円超 180万円以下 | 収入金額 × 40% − 10万円 |
180万超 360万円以下 | 収入金額 × 30% + 8万円 |
360万超 660万円以下 | 収入金額 × 20% + 44万円 |
660万超 850万円以下 | 収入金額 × 10% + 110万円 |
850万円以上 | 195万円(上限) |
所得控除の額の合計額
源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」の欄(図③)には、給与所得控除以外の控除額が記載されています。
所得控除には生命保険料控除、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除などの様々な種類があります。
源泉徴収税額
源泉徴収票の「源泉徴収税額」の欄(図④)には、納める所得税額が記載されています。給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を差し引いた金額が「課税所得金額」で、課税所得金額に所得税率をかけることで算出されます。
源泉徴収税額の計算
源泉徴収税額 = 課税所得金額(給与所得控除後の金額 − 所得控除の額の合計額) × 所得税率 − 控除額
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
源泉徴収票はいつ必要になるか
源泉徴収票をもらってもいつ必要なのかわからず、扱いに困っている人もいるでしょう。源泉徴収票が必要になるタイミングについて解説します。
転職をするとき
年の途中で退職し、その年のうちに転職する場合に必要です。
転職先の会社では、前職の会社の源泉徴収の内容と、転職先での源泉徴収の内容を合算して年末調整を行います。
そのため、転職時に前職での源泉徴収票を提出します。
注意しなくてはならないのは、前職を年内に退職し、年明け後に転職先の会社に入社する場合です。
時期的に転職先の会社で行われる年末調整には間に合わないので、自ら確定申告を行わなければなりません。
確定申告を行わないと、延滞税や加算税と言った、本来支払うべき所得税額より高い税金を徴収されてしまいます。
確定申告をするとき
確定申告を行う時も源泉徴収票が必要になります。
会社員の場合は年末調整があるため確定申告は行いませんが、会社員でも確定申告が必要になるケースがあります。
例えば、年をまたいで転職をする場合や年収が2,000万円を超える場合、副業による収入が20万円を超える場合です。
副業収入が20万円を超えたときの納税についてはこちらの記事で解説しています。 続きを見る転売で稼いだ時の確定申告とは?20万円稼いだら必要な転売の納税方法を解説!
収入を証明するとき
高額なローンを組む時、金融機関から融資を受ける時、賃貸契約をする時、子どもを保育園に入園させる時などに、収入証明書の提出を求められます。
源泉徴収票は収入証明書として有効です。
源泉徴収票を失くしてしまったら?
転職や住宅ローン審査で源泉徴収票の提出を求められたが失くしてしまった場合、源泉徴収票には発行義務があるので、再発行をしてもらうことができます。
現職の源泉徴収票を失くした場合は現在の勤務先の経理担当に、前職の源泉徴収票を失くした場合は以前の勤務先に再発行を依頼しましょう。
税務署や役所では源泉徴収票の再発行はできないので注意が必要です。
基本的に発行依頼後すぐに対応をしてもらえることが多いですが、忙しい時期などは再発行にだいたい1週間~3週間程度かかる可能性もあります。
まとめ この記事が30秒で理解できる!
源泉徴収票とは年収や所得、所得税額が記載された収入証明書の一つです。年末調整後の12月~翌年の1月または退職時に会社から発行されます。
源泉徴収票の見るべきポイントは、1年間に会社から支払われた給与やボーナス等を合わせた「支払金額」と、支払金額から給与所得控除額を差し引いた「給与所得控除後の金額」と、給与所得控除以外の「所得控除の額の合計額」と、納める所得税額である「源泉徴収税額」です。
源泉徴収票は、転職時や確定申告を行う時、収入を証明する時に必要になります。
失くしてしまっても再発行することは可能ですが、大切な書類なのできちんと保管しておくと良いでしょう。