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会社四季報「株価指標」を解説!株価の妥当性・割安性を判断してみる

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  • 会社四季報の【株価指標】はどう読むの?

会社四季報の「株価指標」には、PERやPBRといった株式投資家にとって、銘柄選定の材料となる項目が書かれています。

「株価指標」は、「株価の妥当性」「株価の割安性」を計る上で重要な指標になるものの、それだけで銘柄選定をすればいい訳ではありません。

この記事では、会社四季報の【株価指標】の見かたについて解説します。

それでは、本編をどうぞ!

会社四季報【株価指標】の見かた

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会社四季報の【株価指標】では、「予想PER」「実績PER」「PBR」「株価」「最低購入金額」について書かれています。

株式投資において、特に重要なのは「予想PER」「実績PER」「PBR」です。

株価指標

予想PER

個人投資家や機関投資家にも多用される株式投資指標が「PER(Price Earnings Ratio)」です。株式投資家には、銘柄の「人気度の尺度」としても使われる重要な指数です。

PERとは、会社が1年間で稼ぎ出す1株あたりの純利益の金額に対して、いまの株価が何倍なのか?を分析する指標のことで、株価収益率と訳されます。

PERの計算式は、「1株あたりの純利益」を「株価」で割ることから、PERが高いということは、株価が割高であることを意味します。株価が割高であれば、そのぶん投資回収が遅れる可能性があるぶん、株式投資家には好まれない銘柄ということになります。

PERの計算式

PER(株価収益率)=現在の株価÷1株あたりの当期純利益(EPS)

東証一部上場企業のPERは、平均14~15倍といわれているため、20倍以上の銘柄は割高、10倍未満は割安と評価されます。

将来のPERを予想するのが「予想PER」であり、「予想PER」は会社四季報の【業績】の予想1株益と株価を使って算出されています。

株価指標上記は、任天堂(7974)の来期(2021年3月度)のデータですが、1株益は1,940で、株価は4万5,240円です。

PERの計算式に、上記の数値を当てはめると、23.3倍になります。

実績のPERと比較して予想PERの数値が上がっていれば、株価が上がるか、1株あたりの純利益が下がっている状態のどちらかといえます。株価があがれば値上がり益を狙えるものの、1株あたりの純利益が下がって収益が下がる可能性もあり、予想PERは上がれば(下がれば)いいというものではないことに注意して下さい。

オススメ!
【株式投資入門】PER(株価収益率)とは?5分でわかるPERの使い方

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実績PER

実績PERとは、直近の本決算期で発表された「1株益」をもとに計算されるPERのことです。

実績PERは通常、過去3期の決算期において、それぞれの決算期内の「株価最高値」「株価最安値」「実績1株益」を基に、最高PERと最低PERを算出し、高値平均と安値平均を3期の平均で求めています。

株価指標

株価は需要と供給のバランスにより、常に変化するものです。過去3期の中でも、得てして変動幅があることが、実績PERから見て取れるでしょう。

PBR

PBR(Price Book-volue Ratio)とは、株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているか、すなわち、1株当たり純資産の何倍の値段が付けられているかを計る投資尺度です。株価純資産倍率と訳します。

現在の株価が、企業の資産価値(解散価値)に対して、割高か割安かを判断する目安として使われます。

PERの計算式

PBR(株価純資産倍率)=現在の株価÷1株あたりの当期純資産

PERが「当期純利益」に対する株価の割安度を計る尺度であったのに対して、PBRは「当期純資産」に対する尺度です。

一般的に、「純利益」は、毎年の業績によって左右され変化しやすい傾向があるので、PERは変動しやすい傾向にあります。一方で、「純資産」は企業活動を長期的な視野で見た資産総量であるため、PERの数字が1倍に近ければ、株価が資産価値相当に評価されていると言えます。

ここがポイント!

「純資産」は、企業の総資本から負債を除いた額です。企業の資産のうち、返済義務のないお金という意味です。

「純利益」は、企業が決算期で稼いだ最終的な利益のことです。本業で得た利益から費用や税金などの支払いをすべて済ませ、最後に残ったお金が純利益となります。この純利益から株主への支払いが行われます。

逆にPBRが1倍以下であれば、会社を解散して保有する純資産をすべて売れば、おつりがくる計算になるので、割安株と言われます。

しかし、純資産はあくまで決算書の貸借対照表の金額であり、その資産を売った場合にどれだけのお金になるかは、実際のところはその場にならないと分かりません。

PBRが高いということは、「将来性が評価されている」か、「過小資本」かいずれかです。

事業を拡大して、ある程度成功した局面では「将来性への期待」からPBRが高くなる傾向があり、足元の業績が芳しくなく、債務超過転落ギリギリなど、純資産の額が小さい銘柄もPBRが高くなる傾向があります。

これらは全く真逆の意味でPBRが高くなっているので、単にPBRの数値だけで業績を計ることはできません。純資産と株価のバランスを見ることが重要です。

株価

株価は、その株式(銘柄)の1株あたりの価格のことです。

一般的に、証券取引所を通じて公開している株価の決定は、投資家からの「買い注文」と「売り注文」の取引をすることで、株式の価格が決定します。

「買い注文」の方が多いと、株価は右肩上がりになり、「売り注文」の方が多いと、株価は下落します。

株価の横の()の日付時点での終値が書いてあります。

最低購入額

最低購入額とは、その銘柄を購入する上で、最低必要な購入金額のことを意味します。

2018年度に、すべての上場会社の単元株数が100株単位に1本化されたため、最低購入額は、株価×100で計算できます。

まとめ この記事が30秒で理解できる!

この記事では、会社四季報の【株価指標】について解説しました。

【株価指標】は、「株価の妥当性」「株価の割安性」を計る上で重要な指標であり、株式投資家が銘柄選定において注目すべき項目です。

主に、PERとPBRが重要になりますが、PERとPBRだけで銘柄を選定するのは危険なことがご理解頂けたかと思います。

PERとPBRはあくまで参考数値として、その他項目も分析した上で銘柄選定することをおすすめします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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Taiki

サラリーマン兼ライター。投資の情報をブログを通して発信します。日本の金融リテラシーの教育場になることが目標。現在は、物流業界に勤める会社員の傍ら、投資を初心者に向けてわかりやすく解説しています。

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