こんな悩みはありませんか?
- 一部上場、二部上場の違いとは?
- 経済ニュースなどで、頻繁に聞く「上場」って何?
- 「東証」って何?
テレビなどで「上場」という言葉を耳にすることもありますが、上場企業とは具体的にどのような企業でしょうか。
この記事では、上場の条件やメリット、「東証一部」「東証二部」の違いなどを解説します。
では、本編をどうぞ!
目次
まず、始めに!日本の証券取引所について解説!
日本の株式市場は、4つの証券取引所(札幌、東京、名古屋、福岡)で成立しており、最も規模が大きい証券取引所が「東京証券取引所」、通称「東証」です。
また、東京証券取引所には、「東証一部・東証二部・マザーズ・ジャスダック」の4つの市場があります。
項目 | 東京証券取引所 | 札幌証券取引所 | 名古屋証券取引所 | 福岡証券取引所 |
市場 |
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上場企業数 | 3,755社 | 58社 | 287社 | 109社 |
取引時間 | 9:00~11:30 12:30~15:00 | 9:00~11:30 12:30~15:30 | 9:00~11:30 12:30~15:30 | 9:00~11:30 12:30~15:30 |
現在、日本には株式会社が約170万社がありますが、上場企業数は4,209社になります。(2021年2月23日 日本取引所グループを参照)
日本で最も多くの株式を取り扱っているのは、東京証券取引証(3,755社)です。
170万社のうち4,209社の0.2%が上場していることになり、上場していること自体が非常に希少なのがわかるでしょう。
株式上場の条件
株式上場(IPO)するためには、3期前から財務諸表などの情報整理、株式公開準備担当者の選任、内部統制の整備、外部監査の選定などを行います。
2期前には外部監査の開始、取締役会・株式総会を開催し、1期前には主幹事証券会社を選定する必要があります。
「上場」の審査基準には、形式要件と実質審査基準があります。
形式要件とは、純利益や純資産、株主数などを数字として審査することです。
実質審査基準とは、数字として審査ではなく、上場会社に必要な適格性の有無を審査することです。形式要件を達成しないと、実質審査基準は受けれません。
上場するのは非常にハードルが高く、僅か0.2%の株式会社しか上場していないのです。
株式上場するメリット
株式上場すると、「資金調達がしやすくなる」「企業価値があがる」2つのメリットがあります。
企業で大きな事業を推進するにはお金がかかります。そのため、投資家から資金調達するための手段として上場します。
さらに詳しく!
市場に株式を公開していない会社を「非上場会社」と呼びます。非上場会社の株式を、未公開株と呼び、役員・関連会社・親族関係が株主となるケースがほとんどです。非上場会社の株は、自由に売買できないため、決算報告書の開示義務もありません。
東証一部上場・東証二部上場・マザーズ・ジャスダックの4つの市場は、審査基準・上場目的が異なるので、本記事では、東証一部上場・東証二部上場について解説します。
東証一部とは
東証一部とは、東京証券取引所内で、最も高い審査基準を乗り越えて、社会的評価が1番高い株式市場のことです。現在は、2,194社が上場しています。
東証一部は、トヨタ自動車、NTTドコモ、ソニーなどの日本を代表する会社が名を連ねています。
「東証一部上場」の形式要件は、下記のような要件です。(2021年2月23日 日本取引所グループを参照)
下記の形式要件は、代表的な基準をピックアップしました。実際には、総利益・売上高の数字、株式事務代行機関の設置、株券の種類、譲渡制限など多岐に渡ります。
株主数(上場時見込み) | 800人以上 |
流通株式数(上場時見込み) | 2万単位以上 |
流通株式時価総額(上場時見込み) | 100億円以上 |
流通株式比率(上場時見込み) | 35%以上 |
時価総額(上場時見込み) | 250億円以上 |
純資産の額(上場時見込み) | 50億円以上(連結純資産) |
事業継続年数 | 新規上場申請日から、3年前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること |
東証二部とは
東証二部とは、東京証券取引所内で、一部上場よりは審査基準は低いものの、社会的評価が高い株式市場のことです。現在は472社が上場しています。
二部上場は、東芝、マネックスバリュー西日本、YONEXなどの企業が上場しています。
東証二部上場は、一部上場と比較すると審査基準が低く設定されているものの、それでも高い基準が設けられています。
形式要件 | 東証一部上場 | 東証二部上場 |
株主数 | 800人以上 | 400人以上 |
流通株式数 | 2万単位以上 | 2,000単位以上 |
流通株式比率 | 35%以上 | 25%以上 |
流通株式時価総額 | 100億円以上 | 10億円以上 |
時価総額 | 250億円以上 | ━ |
利益の額 |
| 最近1年間における利益額が1億円以上であること |
純資産 | 50億円以上 | 連結純資産が「+」であること |
事業継続年数 | 新規上場申請日から、3年前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること | 新規上場申請日から、3年前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること |
二部上場の株主数は、一部上場と比較して1/2倍、流通株式数1/10倍の規模です。
形式要件だけで見ると、一部上場と比較して、二部上場の審査基準と差があることが分かります。
東証二部上場は、時価総額は審査基準に該当せず、連結純資産が「+」である必要があります。
ここに注意!
東証二部上場の「純資産の額」は、連結純資産が「+」でも、単体純資産が「-」だと審査に合格できません。
また、「利益額」についても大きく差が開いています。
東証一部は、「①2年間で売上高が25億円以上」「②売上高が100億円以上、かつ時価総額が1,000億円以上」のどちらか達成する必要があります。
マザーズ(Mothers)
マザーズ(Mothers)とは、成長性が高いベンチャー企業を対象にした株式市場で「Market Of The High-growth and emerging Stocks」の略称です。
東証二部よりも、上場基準は緩和されていますが、将来的に東証一部・東証二部を視野に入れた企業が多く345社が上場しています。
代表的な企業だと、メルカリやフリー、弁護士ドットコムなどの企業が上場しています。
ジャスダック(JASDAQ)
ジャスダック(JASDAQ)とは、成長性が高い企業が上場する「グロース」、事業が継続的で安定な企業が上場する「スタンダード」の二段構成なのが特徴です。
略称は、「JQ」「東証JQ」「東証JASDAQ」とも呼ばれています。
現在は、665社が上場しています。代表的な企業だと、日本マクドナルドHDや日本銀行、ワークマンなどの企業が上場しています。
まとめ この記事が30秒で理解できる!
本記事では、日本で最大級の証券取引所である、東京証券取引所(東証)の「一部上場」「二部上場」について解説しました。
株式市場に上場するには、かなりの厳しい条件をクリアしなければならないため、上場している会社は信頼のおける会社だとわかります。
未公開株でもない限り、株式市場を通じて株式投資を行うため、上場先で企業規模を計る材料になるかもしれません。
ここまで、読んでいただきありがとうございました。