こんな悩みはありませんか?
- 副業の税金について知りたい
- 雑所得はどのような税金なのか知りたい
- 自分がやっている(やりたい)副業がが雑所得に該当するのか知りたい
副業をこれから始める方は、副業の税金がかなり不利なことをご存知でしょうか?
副業にかかる税金は、基本的に「雑所得」の扱いになりますが、知識がないまま副業をが始めると破産する可能性が上がります。
この記事では、副業に関係する「雑所得」について、不利な理由や注意点、何が雑所得に該当するかを解説します。
結論、「副業」は早く「事業」にすべきです。最終的には税務署判断となりますが、事業として認められるように副業をすすめましょう。
それでは、本編をどうぞ!
目次
雑所得とは
雑所得とは、所得税法35条に定められた10種類のうち、他9種類いずれの所得にも含まれない所得のことです。
10種類の所得は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得です。
雑所得は、他の9種類に分類できない所得だけあって、以下の表の通り、様々な所得が雑所得の扱いになります。
雑所得 | 確定申告 | 課税 | 税率 |
公的年金 | 要(20万円以上) | 総合課税 | 累進課税5~45%+住民税10% |
副業収入(給与・事業等以外) | |||
生命保険年金(個人年金) | |||
仮想通貨 | |||
金融類似商品 | 不要 | 源泉分離課税 | 所得税15.315%+住民税10% |
外国為替証拠金取引(FX) |
さらに詳しく!
公的年金とは、老齢基礎年金、老齢厚生年金、企業年金、恩給などが含まれます。遺族年金、障害年金および死亡一時金などは非課税所得として、課税の対象にはなりません。
公的年金等の計算は複雑なので、詳しくは国税庁のWebサイトをご覧ください。
雑所得の大部分は「総合課税」と呼ばれる給与所得や譲渡所得、不動産所得などと合算してから累進課税で税額を計算されます。
例えば、一般的なサラリーマンが年間50万円の雑所得を得ていた場合、「給与所得+50万円」に税率をかけて所得税額を求めます。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え、330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え、695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え、900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え、1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え、4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超え | 45% | 4,796,000円 |
副業は基本的に「雑所得」になる
副業には、アフィリエイト、フリマアプリの収入、外国為替証拠金取引(FX)、暗号資産(仮想通貨)など様々な種類がありますが、基本的には「雑所得」に該当します。
FXは「源泉分離課税」と呼ばれる特殊な処理の仕方をしますが、それ以外の副業は基本的に「総合課税」扱いの雑所得です。
雑所得は「他の所得に該当しないもの」が対象となるため、副業という新しい働き方は、雑所得として扱われることが多いのです。
ここに注意!
副業でアルバイトやパートをする場合、正社員として働く場合と同様で「給与所得」扱いになり、雑所得とは扱いが異なります。
【重要】雑所得はデメリットが大きい
雑所得は他の所得に該当しない所得です。他の所得のように税制優遇がされにくい、10種類の所得の中でも不利な所得です。
雑所得は、先述の通り他の所得と合算してから税額計算されます。そのため給与所得などと合算して最大で55%(所得税45%+住民税10%)も税金がかかります。
例えば、上場企業株式の配当は、申告分離課税を選択すれば税金は20.315%(所得税15.315%+住民税5%)で済み、雑所得が如何に不利かわかるでしょう。
更に「損益通算」と呼ばれる赤字と黒字を相殺する制度を雑所得は利用できません。
例えば、給与所得が600万円で仮想通貨で200万円の損をしたとします。その場合、給与600万円に仮想通貨-200万円を加えた400万円に対して課税されれば、税金はかなり安く済みますが、税金は600万円に対してかかります。
つまり雑所得は、稼ぐほど税金が増え、損失がでても何もプラスにならない税務上は非常に不利な所得なのです。
さらに詳しく!
損益通算の対象となるのは「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」です。覚え方は、それぞれの頭文字をとって「ふじさんじょう(富士山上)」と覚えます。
例えば、せどりや転売を事業として行っている場合(事業所得)は、商品が全然売れずに赤字になっても損益通算でき納税額を抑えられますが、副業レベルでせどりや副業を行っている場合(雑所得)は損益通算できず節税効果はありません。
売上100万円で、仕入れコスト(経費)300万円で比較すると、事業所得は-200万円、雑所得は0円です。損益通算は最長3年間繰り越すことができるので、数年に渡り節税効果のある仕組みといえます。
雑所得と事業所得の判断基準
雑所得と事業所得、どちらで処理できるかに明確な基準はありません。
最終的には税務署の判断に委ねられるため、事業所得として申請しても税務署から指摘を受け、雑所得として処理されることもあり得ます。
国税庁によれば、事業所得は以下の通り「事業を営んでいる」かどうかが焦点になるため、事業として認められれば事業所得で扱えます。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
出典:国税庁
しかし、副業が事業として認められるにはハードルが高く、雑所得として扱われることが一般的です。
副業が事業として認められるためには「継続的に安定した収入が得られるか」「相当な時間を費やしている」「職業として認知されている」などが判断基準となります。
雑所得は20万円以下で確定申告が不要
副業の所得は、1年間(1月1日~12月31日)で20万円以下の場合、確定申告が不要です。
これはサラリーマンなどの給与所得者に対してのみ適用される制度で、個人事業主やフリーランスは年末調整を行わないので、20万円以下でも確定申告の対象になります。
さらに詳しく!
サラリーマン(給与所得者)で雑所得が20万円以下であっても、確定申告が必要な場合もあります。確定申告が必要な条件は、以下の通りです。
- 給与2000万円を超えている場合
- 2ヶ所以上から給与をもらっている場合
- 医療費控除を受ける場合
- 住宅ローン控除を受ける場合 etc
注意点として、確定申告は不要なものの、市区町村に支払う「住民税」に関しては、20万円ルールのような特例措置はなく申告が必要になります。
住んでいる市町村のWebサイトを確認し、住民税申告に必要な書類や持ち物を揃えて申請しましょう。
雑所得となる副業の種類
副業の範疇で「雑所得」に該当するものを具体的に紹介します。ここに該当しないものでも、他に分類できない所得は基本的に雑所得になると思っておくといいでしょう。
雇用契約のない日雇い・単発バイトの報酬
前記の通り、雇用契約があるアルバイトやパートは給与所得になりますが、雇用契約のない日雇いや単発バイトの場合は雑所得扱いです。
日雇いや単発バイトでは、交通費は必要経費として認められるため、受け取ったお金から交通費を引いた金額が雑所得です。
非営業用貸金の利子
個人的なお金の貸し借りの利子は雑所得です。友人間でお金の貸し借りがあり、そこで発生する利子が当てはまります。
印税・講演料
書籍の印税や、セミナー等の講演料や、そこで販売するグッズなどは雑所得として扱われます。
もちろんをそれを専業で行う場合は、事業所得として処理される場合があるので注意して下さい。
ブログ・Youtubeの広告収入
ブログ、YouTube等で得た広告収入は雑所得です。
Yourtubeの企画で、飲食店で食事をした場合や、ブログでインタビュー記事を書いた場合の報酬や交通費は、必要経費に充てられる可能性があります。
最終的には税務署判断ですが、広告収入を得るにあたって必要だったと認められるかが経費計上できるかのカギとなります。
ネットオークションやフリマアプリの収入
ネットオークションやフリマアプリで得た収入は雑所得となります。
ただし、販売しているものが洋服や家具などの自宅にある不用品であれば「生活用動産」として、所得が20万円を超えても確定申告は必要ありません。
これも最終的には税務署判断となるため難しい問題ですが、明らかに自宅の不用品でないものは「生活用動産」にはなりません。
仮想通貨(暗号資産)の値上がり益
仮想通貨(暗号資産)の取引で得た収益は雑所得です。
「億り人」という言葉が一時期メジャーになりましたが、「億り人」の大半は破産したという話はご存知でしょうか。
「億り人」は仮想通貨で「億」の資産を得た人ですが、仮想通貨は総合課税の扱いとなるため、所得税+住民税で55%もの納税が必要です。
しかし、税金に対する知見がないまま億万長座になった人達は、雑所得の恐ろしさを知らずに税金が払えなくて自己破産を余儀なくされたという事例がいくつも出ています。
さいごに この記事が30秒で理解できる!
副業は、ほとんどが雑所得の扱いになります。
雑所得は、税務上不利な所得となっており、基本的に累進課税で最大55%の税額となるものの、損金を計上できずに赤字になっても損益通算できません。
本格的に事業化するのであれば、早いうちに法人設立や個人事業主として開業して、事業所得として認められるように動くといいでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。