こんな悩みはありませんか?
- 固定資産税について知りたい
- 「どのようにして固定資産の評価額が決まるのか?」を知りたい
- 「どのようなものが固定資産に当たるのか?」を知りたい
住宅や土地を所有していると、毎年固定資産税がかかります。地価が高いと税金も高額になり、税負担が大きくなります。
どのようにして固定資産税を計算するのか、わかりやすく解説します。
目次
固定資産税とは
「固定資産税」とは、毎年1月1日時点で住宅やマンション、土地などの固定資産を所有している人に発生する税金です。
5月から6月ごろに市区町村から納税通知書が送付されるので、同封されている納付書を使用して納税します。
支払い回数は、一括または年4回(6月、9月、12月、2月)の分割払いが選択できますが、支払い方法により納税額が変わることはありません。
固定資産の具体例
土地 | 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、その他の土地 |
建物 | 住家、店舗、工場、発電所、変電所、倉庫、その他の建物 |
償却資産 | 構築物、機械・装置、工具・器具及び備品、船舶、航空機などの事業用資産で法人税法または所得税法上、減価償却の対象となるべき資産 |
固定資産税は、住宅やマンション、土地だけでなく、法人や個人事業主の方の店舗にもかかります。
償却資産とは、事業を始める際の、宣伝塔、フェンス、機械でいえばクレーン、コンベアー等の運搬設備、応接セットやパソコン、サーバー、プリンタ、机、椅子、冷蔵庫などの数年間使うものを指します。
事業を始める際にも、大きく投資したものに対して固定資産税がかかると覚えておきましょう。
固定資産税の計算方法
固定資産税を計算するためには、まず対象となる「固定資産税評価額」を求めることからはじまります。
その後、「課税標準額」を求め、最後に「固定資産税率」をかけることで求められます。
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1固定資産税評価額を求める
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2課税標準額を求める
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3固定資産税率を掛ける
それぞれについて解説していきます。
Step1. 固定資産税評価額を求める
固定資産税評価額とは?
「固定資産税評価額」は「評価額」とも呼ばれ、固定資産税・都市計画税、不動産取得税、登録免許税などを計算をする時の元になる価額です。
土地や建物の評価額については、国が定めた固定資産評価基準に基づいて、各市町村(東京23区は各区)の資産税課が決定し、固定資産課税台帳に登録されます。
固定資産課税台帳に登録された評価額は、原則として3年に1回見直され、評価が変わります。
例をあげると、約50年ぶりにJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」が誕生し、周辺の地価が上昇傾向にあります。
世相や経済はたえず変動するため、土地の評価もそれに連動します。
また、建物も経年劣化していくため、定期的な評価の見直しが行われるのです。
固定資産税評価額の求め方
固定資産税の計算をする場合、まずは固定資産税評価額を算出する必要があります。
固定資産税評価額は、土地、建物、償却資産で計算方法が異なります。
ここでは、土地、建物の固定資産税評価額の計算について解説します。
土地の固定資産税評価額の求め方
土地は田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地などの地目ごとに評価方法が異なります。
たとえば、市街地にある宅地の場合、大まかに知りたい場合は国土交通省が調査する地価公示価格の約70%と憶えておくと良いでしょう。
工事価格が1,000万円ならば、固定資産税評価額は700万円程度と想定することができます。
さらに詳しく!
土地の価格は非常に紛らわしく、同じ土地でも4つの違った価格がついています。
時価(不動産取引価格) | 実際に売買された価格。または、周辺の売買価格を参考に算出される価格。国土交通省「土地総合情報システム」で閲覧可能 |
地価公示価格 | 国土交通省が公示する標準地の価格。毎年1月1日時点の地価を評価し、毎年3月下旬に公示。国土交通省「土地総合情報システム」で閲覧可能 |
相続税評価額(路線価) | 相続税や贈与税の課税基準になる価格。国税庁が管轄し、標準地の道路の値段から土地の価格が算出される。国税庁の「路線価図・評価倍率表」で閲覧可能 |
固定資産税評価額 (固定資産税路線価) | 固定資産税・都市計画税、不動産取得税、登録免許税などを計算をするときの元になる。各市町村(東京23区は各区)が3年ごとに評価を見直す。固定資産税の「納税通知書」または、市町村役場にある固定資産課税台帳で確認可能。 |
そもそも公示価格は、地価公示法に基づいて国土交通省土地鑑定委員会が土地の評価をし、3月に公示するものです。
つまり、「これぐらいの価格で売買するのが適正ですよ」と国が示すガイドラインのようなものであり、それも考慮して各市町村(東京23区は各区)が固定資産税評価額の評価をします。
正式な固定資産税評価額を知りたい場合は、納税通知書に同封の「課税明細書」に記載されている「価格」を見るとわかります。
また、役場の納税課等で「固定資産税評価証明書」を取得することで確認することもできます。
ただし、「固定資産税評価証明書」を取得できるのは、所有者や借地人、借家人、相続人に限られます。
課税明細書や固定資産税評価証明書がない場合は、「固定資産税路線価」から算出することができます。
まぎらわしいのですが、固定資産税路線価とは、国税局長が決めて国税庁が発表する路線価とは別もので、各市町村が調査する固定資産税の算定に使用される路線価です。
さらに詳しく!
固定資産税路線価は「全国地価マップ」から確認することができます。
固定資産税路線価に土地の面積をかければ、大まかな評価額を計算できます。あくまで概算であり、同じ場所でも土地の形状によって評価額は変化します。
建物の固定資産税評価額を計算する
建物の固定資産税評価額は「再建築価格」に基づいて決められます。
「再建築価格」とは、その建物をもう一度建て直した場合にかかる建築費のことです。
新築・増改築された建物については、固定資産課税台帳に価格を登録する必要があるため、担当者が建物の調査を行います。
調査では、請負契約書、竣工図などの建築資料をもとにして、どのような資材がどれだけ使用されているかや施工状況の確認から価格が算出されます。
建物の課税標準額も、土地と同様に3年に1度見直されますが、一度調査を行った建物については、建築物価の変動や経過年数を考慮して数値的に行われるため、改めて調査は行われません。
建物の固定資産税評価額は、再建築価格のおよそ50%から70%です。
Step2. 課税標準額を求める
土地の固定資産税評価額は、地下公示価格を基に算出された評価額ですが、「課税標準額」は税額計算の基礎となる金額です。
農地や山林などの土地の場合、固定資産税評価額と課税標準額は同じ金額となりますが、住宅用地は特例や負担調整率が設定されているため、一般的に固定資産税評価額よりも課税標準額の方が低くなります。
自治体により特例や負担調整率は異なりますが、住宅用地の場合は固定資産税評価額と課税標準額は一致しません。
一般的には、住宅用地の課税標準額は、1戸当たり200平米までの「小規模住宅用地」と1戸当たり200平米を超える「一般住宅用地」で、税負担を軽くする特例措置が設けられています。
1戸あたり200平米までの部分 (小規模住宅用地) | 課税標準額 = 固定資産税評価額 × 1/6 |
1戸あたり200平米を超える部分 (一般住宅用地) | 課税標準額 = 固定資産税評価額 × 1/3 |
Step3. 固定資産税を求める
固定資産税の計算は、課税標準額に税率をかけることで求めることができます。
固定資産税の税率は、標準税率と呼ばれる1.4%が基本ですが、市町村が独自に1.4%以外の税率を設定できるので、不動産のある市町村に確認するといいでしょう。
固定資産税の計算
固定資産税=課税標準額×1.4%(標準税率)
さいごに この記事が30秒で理解できる!
固定資産税とは、毎年1月1日時点で住宅や土地、償却資産を所有している人に発生する税金です。
5月から6月ごろに市区町村から納税通知書が送付されるので、同封されている納付書を使用して納税します。
固定資産税を求めるための手順は、以下の通りです。
- 固定資産税評価額を調べる
- 課税標準額を計算する
- 課税標準額に1.4%(標準税率)をかける
最後まで読んでいただきありがとうございます。