こんな悩みはありませんか?
- 会社四季報で「会社業績の見通し」をどうやって確認するの?
会社四季報の業績評価には「業績評価コメント」「業績予想修正」「強気度マーク」の3つの項目があります。
この3項目は、以前の業績を踏まえて、会社四季報の担当者が会社を評価した内容が記されています。
この記事では、会社四季報の中でも重要度の高い「業績評価コメント」「業績予想修正」「強気度マーク」の読み方について解説します。
目次
2-1 会社四季報の「業績評価コメント」
業績評価コメントは、【 】で囲まれた見出しと本文で構成されており、会社四季報において、もっとも重要な指標のひとつといえます。
今期の業績予想「見出し」
業績評価コメントの見出しには、今期の業績予想か、決算期には来期の業績予想をひと言で表す言葉が記載されます。
四季報と以下の表を見くらべて、見出しの言葉が何を指すのか参考にしてください。
出典:四季報ONLINE
プラスの見出しは【絶好調】【連続最高益】【高水準】などです。
そのような言葉が見出しに書かれている場合は「業績が好調」と評価できる材料であり、株式銘柄の判断材料になります。
一方、マイナスな見出しは【減収減益】【赤字続く】【無配続く】などです。
そのような言葉が見出しに書かれている場合は「業績が不調」と評価できるため、株式銘柄を手放したり購入を見送る材料になります。
見出しをみると、業績の先行きが明るいか否かを瞬時に判断できるため、株式銘柄を選定する重要な指標です。
今期の業績予想「本文」
業績評価コメントの本文には、見出しの評価となる根拠が書いてあります。
具体的には、前期実績と比較した今期予想の材料やコメント、前号に掲載した予想や契約と比較した今期予想の材料やコメントが記載されています。
ここがポイント!
会社四季報の特集ページの中で、発売号ごとの見出しトレンドをみることができます。
2020年はコロナウイルスの影響が顕著に現れており、「反落」「続落」「大幅減益」などのマイナスな言葉が上位に並んでいます。
成長戦略や経営課題
会社四季報の業績評価コメントの後半には、成長戦略や経営課題が書かれています。
業績評価コメントの前半では、主に「今期の業績見通し」について書かれている一方、後半部分は、会社の中長期的な成長戦略や新規事業や新商品に関すること、経営課題などが書かれています。
そのため、今期だけの業績だけではなく、もっと長い目で見て会社の業績に関わる様な事柄が書かれている場合が多いです。
2-2 前号四季報からの業績予想修正
会社四季報の欄外には、前号の会社四季報で予想した営業利益と、今号の会社四季報で予想する営業利益の修正率が矢印で記されています。
さらに詳しく!
営業利益とは、売上から仕入れ原価を引いた「売上総利益(粗利)」から、必要経費を差し引いた利益です。つまり本業事業の収益を指しています。
営業利益の修正率は、以下の5段階で評価され、評価通りの矢印と言葉が記されます。
内容 | 表示 |
営業利益が前号より30%以上の増額 | 大幅増額 |
営業利益が前号より5%以上30%未満の増額 または ゼロからの黒字 | 増額 |
営業利益が前号より5%未満の増減額 | 前号並み |
営業利益が前号より5%以上の減額 または ゼロからの赤字 | 減額 |
営業利益が前号より30%以上の減額 | 大幅減額 |
前号四季報からの業績予想修正が特に重要なのが、中間決算の時期です。
中間決算の時期は、決算期にたてた業績予想から半年経ち、どの程度達成しているかを計る時期です。
中間決算で「減額」や「大幅減額」などと営業利益がマイナス予想となれば、株価が下がる可能性が高くなります。
株式投資家は、中間決算の時期を中心に、この項目に注視してみましょう。
2-3 強気度マーク
会社四季報の欄外には、もうひとつ重要な情報として「強気度マーク」が掲載されています。強気度マークは、会社四季報の紙面版のみに掲載されている情報です。
強気度マークとは、会社四季報が予想する営業利益の予想と、企業が予想する営業利益の予想の乖離率を示したマークです。
営業利益の乖離率は、下の図の [1]会社四季報の予想営業利益と、[2]企業の予想営業利益を比較することで算出します。
強気度マークは、マークの種類と数で4つのパターンにわかれています。
四季報予想のほうが会社予想より30%以上強気のときは | ニコニコマーク×2 | 大幅強気 |
四季報予想のほうが会社予想より3~30%強気のときは | ニコニコマーク | 会社比強気 |
四季報予想のほうが会社予想より3~30%弱気のときは | がっかりマーク | 会社比弱気 |
四季報予想のほうが会社予想より30%以上弱気のときは | がっかりマーク×2 | 大幅弱気 |
画像のように会社比強気の場合は、会社四季報の予想する営業利益が、会社の予想する営業利益を大きく上回っていることを表しています。
そのため、会社の収益計画が慎重すぎるという見方や、業績を上方修正する余裕をあえて残しているという見方ができるともいえます。
中間決算あたりで業績予想が上方修正され、それに連動して株化も上がりやすい状態になりやすいとも分析できます。
一方で、会社比弱気の状態は、会社四季報の予想する収益計画よりも会社予想の営業利益が大きく上回っている状態です。
そのため、会社の収益計画が甘すぎたりという見方ができ、業績が下方修正される可能性があると、会社四季報が分析しているといえます。
さらに詳しく!
乖離率の計算式は、乖離率(%)=(「会社四季報の予想営業利益」ー「会社の予想営業利益」)÷「会社予想営業利益の絶対値」×100 です。
また、乖離額(「会社四季報の予想営業利益」-「会社の予想営業利益」)の絶対値が2,000万円以上の会社が対象です。
まとめ 30秒でこの記事が理解できる!
会社四季報の会社の業績の3つの項目について解説をしました。
今回紹介した3項目は、数字的なところではなく、会社四季報担当者が取材した内容や、それに基づいて分析した結果を記す大変参考になる項目です。
あくまで会社四季報担当者の業績予想でしかないものの、長年培ったノウハウや経験に基づいた責任ある予想となっているため、信ぴょう性のある予想といえるでしょう。
株式投資の収益化を目指す場合には、会社四季報担当者の業績予想も参考にしてみると、収益化に近づくかもしれませんね。