こんな悩みはありませんか?
- 地震保険料控除はいくら節税できるのか知りたい
- 地震保険料控除の対象となる地震保険について知りたい
地震に備えて加入している「地震保険」は、年末調整や確定申告により地震保険料控除を受けることができます。
多くの場合は、火災保険の特約として地震保険に加入しているため、無意識で加入している場合があります。
地震保険料控除は、所得税と住民税を合わせて最大75,000円節税や還付できるため、利用しないのは勿体ないでしょう。
本記事では地震保険料控除の概要や、対象となる地震保険・長期損害保険、控除額について解説します。
確定申告についてはこちらの記事で解説しています。
続きを見る【2021年版】令和2年ぶん確定申告のまとめ|申請書の書き方や申請方法について解説
目次
地震保険料控除とは
地震保険料控除とは所得控除の一つで、1年間に支払った地震保険料に応じた金額を所得から差し引き、所得税や住民税の負担を減らす制度です。
納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料又は掛金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを地震保険料控除といいます。
原則、地震保険は地震補償保険を除き、火災保険とセットで加入しますが、地震保険料控除の対象となるのは地震保険に該当する部分の保険料のみです。
地震補償保険は単独で加入できますが、地震保険料控除の対象外なので注意しましょう。
夫婦共有名義の建物の場合は、契約者をどちらか一方に定める必要があります。
所得税は所得が多いほど税率も高くなり、税金を多く払うことになるので、夫婦のうち所得が多い方を契約者にすると節税効果は高いです。
ここがポイント!
平成18年の税制改正により従来の損害保険料控除は廃止され、平成19年より地震保険料控除が新設されました。日本は地震大国なので地震保険は広く加入されることが望まれます。税負担を軽減することで、地震保険の加入を促進することが目的とされています。
地震保険料控除の対象となる地震保険
地震保険料控除の対象となるのは、どのような保険なのかを解説します。
地震保険契約
地震保険料控除の対象となるのは、居住用家屋(建物)と生活用動産(日常生活に必要な家具、什器、衣服などの家財)の保険を目的とした地震保険契約です。
賃貸契約で建物を所有していなくても、家財に地震保険をかけておけば地震保険料控除が受けられます。
賃貸契約する場合は、火災保険の加入を勧められますが、その火災保険に地震保険も付帯されていれば、地震保険料控除が受けられます。
経過措置が適用される長期損害保険契約
平成18年の税制改正で従来の損害保険料控除は廃止されました。
しかし、平成18年末までに契約した満期返戻金のある契約期間が10年以上の長期損害保険については、経過措置の対象となり控除が受けられます。
対象となる地震保険に加入しているかどうかは、保険会社から送付される保険料控除証明書から判断できます。
地震保険料控除の控除額とは
地震保険料控除は、1年間に支払った保険料の金額に応じて控除額が決まります。
その控除額は「地震保険」と「長期損害保険」で異なります。
それぞれの控除額について解説します。
地震保険の控除額
所得税の控除額は、1年間に支払った保険料の金額が5万円以下であれば、支払った保険料の全額が控除されます。
年間の保険料が5万円を超えた場合は、控除限度額である5万円が控除されます。
住民税の控除額は、1年間に支払った保険料の金額が5万円以下であれば、支払った保険料の半分の金額が控除されます。
年間の保険料が5万円を超えた場合は、控除限度額である2万5,000円が控除されます。
地震保険料の控除額
税区分 | 年間の保険料 | 控除額 |
所得税 | 50,000円以下 | 支払った保険料の全額 |
50,000円超え | 50,000円 | |
住民税 | 50,000円以下 | 支払った保険料 × 1/2 |
50,000円超え | 25,000円 |
長期損害保険の控除額
所得税の控除額は、1年間に支払った保険料の金額が1万円以下であれば、支払った保険料の全額が控除され、控除限度額は1万5,000円です。
住民税の控除額は、1年間に支払った保険料の金額が5,000円以下であれば、支払った保険料の全額が控除され、控除限度額は1万円です。
長期損害保険の控除額
税区分 | 年間の保険料 | 控除額 |
所得税 | 10,000円以下 | 支払った保険料の全額 |
10,000円超え 20,000円以下 | 支払った保険料の全額 × 1/2 + 5,000円 | |
20,000円超え | 15,000円 | |
住民税 | 5,000円以下 | 支払った保険料の全額 |
5,000円超え 15,000円以下 | 支払った保険料の全額 × 1/2 + 2,500円 | |
15,000円超え | 10,000円 |
地震保険と経過措置が適用される長期損害保険の両方に加入している場合は、それぞれの控除額を合計した金額が控除されます。
ただし控除限度額は所得税が5万円、住民税は2万5,000円です。
さらに詳しく!
合計の保険料を抑えるために、複数年分の保険料を一括で支払うことがありますが、支払った年にまとめて申請をするわけではありません。合計の保険料を保険期間(年)で割り、1年分に換算した金額が保険料の対象となります。
地震保険料控除の手続き方法
控除を受けるためには年末調整か確定申告で手続きを行います。
サラリーマンの場合は会社が手続きを行ってくれるので、年末調整がおすすめです。
会社から「給与所得者の保険料控除申告書」を受け取り、必要事項を記入します。
保険会社から送付される地震保険料控除証明書を添付すれば手続きは完了です。
年末調整の場合、12月末から1月に還付金が振り込まれるので、確定申告より早く振り込まれます。
個人事業主の方などは確定申告で手続きを行います。
確定申告書の第一表の「地震保険料控除」の欄に控除額を記載し、第二表の「地震保険料控除」の欄に1年間の地震保険料の支払い予定額を記載してください。
まとめ この記事が30秒で理解できる!
地震保険料控除とは、1年間に支払った地震保険料に応じた金額の控除が受けられる制度です。
控除を受けるためには年末調整か確定申告のどちらかで手続きを行いましょう。ただし、火災保険料は控除の対象外です。
所得税の控除額は、1年間に支払った保険料の金額が5万円以下であれば、支払った保険料の全額が控除され、控除限度額は5万円です。
住民税の控除額は、1年間に支払った保険料の金額が5万円以下であれば、支払った保険料の半分の金額が控除され、控除限度額は2万5,000円です。
地震による損害は火災保険では保証されないので、火災保険とセットで加入することをおすすめします。