こんな悩みはありませんか?
- 中国から輸入するときには、いくら関税がかかるの?
- 関税が複雑すぎて、どうやって計算すればいいかわからない
中国輸入転売を行う際に、どれくらいの関税がかかるかご存知でしょうか?
関税は複雑ですが、知らずに中国輸入転売に取り組んでいると、仕入れ原価を見誤ったり、場合によっては赤字になる可能性があります。
そこで本記事では、関税の基礎知識から関税の計算方法などについて、順を追って解説します。
関税は「輸入品目の種類」「輸入先の国」「個人輸入か商用輸入」によって変わるのがポイントです。
それでは、本編をどうぞ!
目次
関税とは?
関税とは、品目を輸出入する際にかかる税金のことで、輸入先の税関(国)に支払います。
関税は、輸入する品目の課税価格に「実行関税率」をかけて計算された税金が徴収されます。
関税の計算
関税 = 輸入品目の課税価格 × 実行関税率
中国輸入ビジネスを行う際には、純粋な商品原価だけでなく、関税も原価としてとらえることが重要です。
商品原価が安いからと関税を考慮せずに商品を仕入れてしまうと、薄利多売な商売になってしまう可能性があります。
関税がかかる理由
関税は、それぞれ自国の産業を守るためにあります。
スーパーには、外国産の安いお肉と国産のそれよりも高いお肉が並んでいるのを目にしますが、仮に関税がなければ価格差はもっと広がるでしょう。
値段が高くても国産のお肉を選ぶ家庭は一定数いるでしょうが、低所得層を中心に安いお肉が人気になるでしょう。
それだと国内の畜産農家は大きなダメージを受けるため、産業を守るために関税が設けられているのです。
関税額を決める3つのポイント
関税額は、複雑な計算になってしまうので全てを覚える必要がありません。
ざっくりと3つの要素で決まるという点だけ、ここでは押さえましょう。
関税額を決める3つのポイント
- 輸入品目の種類
- 輸入先の国
- 個人輸入か商用輸入
まず最初のポイントは、全ての商品に関税がかかる訳ではないという点です。
商品によって関税がかかる商品とかからない商品があります。
もっと厳密にいえば、同じアパレル商品でも材質が異なれば関税が変わる場合があります。
また、同じ商品であっても輸入元が異なれば、関税額が異なる可能性があります。
最後に、個人利用と商用(販売目的)利用によっても関税は異なります。
この3つのポイントについて、詳しく解説していきます。
輸入品目による関税の違い
2022年現在、関税の対象商品は97分類にカテゴリーが分けられ、それぞれの分類ごとに品目の関税率が決められています。
詳しくは、税関の「実行関税率表(2022年1月1日版)」を見れば、品目と国ごとの関税が載っていますが、全てを覚えるのは困難です。
そこで、個人輸入者の関心が高いと思われる代表的な品目について、税関の「主な商品の関税率の目安(カスタムスアンサー)」にまとまっているので、そちらから抜粋して紹介します。
あくまで、国ごとの税率を反映していない目安となるのでご注意ください。
品目ごとの関税
- 衣服(毛皮のコート):20%
- 衣服(繊維性のコート):8.4~12.8%
- アクセサリー:5.2~5.4%
- 時計:無税
- 家具類:無税
輸入先の国による関税の違い
前述の通り、関税は輸入する国によって定めらています。
この関税の取り決めは非常に複雑で、後発開発途上国(LDC)、経済連携協定(EPA)締約国、WTO加盟国などの枠組みや、経済連携協定などにより決まります。
例えば、コーヒーの関税は、基本的には20%ですが、WTO加盟国は12%、経済連携協定(EPA)締約国のベトナムは1.9%、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定加盟国の中国は11.3%となっています。
中国の関税の種類
中国の輸入関税は、「最恵国税率」「暫定税率」「協定税率」「特恵税率」「普通税率」の5つに分類されます。
物凄く簡単にいえば、中国との関係性によって関税が5種類に分けられるということです。
毎年、中国の国務院関税税則委員会が税率を発表することになっており、中国税関が出版している『輸出入税則』にすべての品目の関税が記載されます。
中国の関税の調べ方
中国の関税を調べる方法は、次の2つの方法がおすすめです。
- 税関の「実行関税率表(2022年1月1日版)」で調べる
- World Tariffで調べる
税関の「実行関税率表(2022年1月1日版)」で調べる
「実行関税率表(2022年1月1日版)」は、税関の公式サイトにある品目ごとの税関一覧表です。
分類ごとに品目が分かれているので、調べたい品目を探して調べる必要があります。
World Tariffで調べる
World Tariffは、FedEx社が運営するオンラインで利用できる関税データベースです。
世界178カ国・地域の関税率が調べられるため便利ですが、ユーザー登録が必要で面倒ですが、JETROサイトからユーザー登録を行うと、日本居住者は無料で利用することができます。
個人輸入か商用輸入かによる関税の違い
さいごに、個人輸入と商用輸入の違いを解説します。
個人輸入
個人輸入とは、「個人で使用する目的の輸入」のことを言います。
アリババやタオバオで買い物をしたり、海外旅行でお土産を持って帰るのも厳密にいえば個人輸入です。
個人輸入の場合は、商品価格の60%が課税対象の価格となり、その金額に対して税金が計算されます。
ただし、課税価格が10,000円以下の場合は、原則として関税が免除されるため、商品価格が16,666円以下であれば関税が免除されます。
計算方法
商品価格16,666円 × 60% = 課税価格10,000円
この10,000円に対して、品目ごとの税率がかかります!
商用輸入
商用輸入は、「第三者に販売することを目的として輸入すること」を言います。
中国輸入ビジネスを展開する場合は、基本的こちらに該当すると思ってください。
個人輸入の課税価格は商品価格の60%でしたが、商用輸入の場合は商品価格の100%が課税対象です。
また商用輸入は、商品価格だけではなく、送料や保険料などの経費の負担も発生します。
計算方法
(商品価格 + 送料 + その他経費)× 100%
この金額に対して、品目ごとの税率がかかります!
副業やフリーランスはどちらか?
個人輸入と商用輸入の境目は、第三者からみると曖昧です。
法人の定款に事業登録されていれば別ですが、フリーランスで輸入をする場合は、転売目的か個人利用かを第三者が判断するのは困難です。
しかし、仮に1商品しか輸入転売していなくても、転売行為を行っていることには変わりありません。
転売目的の輸入は、いかなる場合も商用輸入ということを心に留めておきましょう。
転売行為をおこなうにも関わらず、個人輸入として処理してしまうと罰せられる可能性もありますよ。
簡易税率とは
中国輸入転売にはあまり関係しませんが、関税率には通常の「実行関税率」のほかに「簡易税率」と呼ばれる税率が用意されています。
海外旅行からの帰りに、免税範囲外のワインやたばこを持ち込むと関税がかかりますよね。とはいえ、関税の職員がその場で計算するのは困難です。
そういったことも考慮してか、一部の品目には簡易税率が適用されます。
海外から商品を輸入する場合、個人使用の品物または贈り物であっても、原則としてその商品に対して関税が課されることとなりますが、一般貨物または郵便小包を利用した場合で、課税価格の合計額が20万円以下の場合には、一般の関税率とは別に定められた簡易税率が適用されます。
参考:税関
簡易税率は、課税価格が20万円以下の場合に適用される税率です。
中国輸入ビジネスを小規模に始める際には、簡易税率が適用される可能性がありますが、該当品目が7品目しかありません。
中でも転売転売と相性がいいのは「衣類」しかないため、基本的には適用外だと思ってください。
関税だけではない!中国輸入でかかる費用
中国から商品を輸入する際に、支払う費用は関税だけではありません。
次のような費用を、税関や通関業者に支払う必要があります。
税関
- 関税
- 消費税
- 地方消費税
通関業者
- 通関手数料
- 立替手数料
税関でかかる費用に関しては、「関税、消費税等の税額計算方法(カスタムスアンサー)」で確認できます。
特に、消費税は、商品価格だけではなく、送料や保険料などを含んだ課税価格に対してかかると覚えておきましょう。
また、通関業者でかかる費用は通関業者によって異なります。
利用する通関業者に手数料を確認するか、輸入代行業者を利用している場合は輸入代行業者に確認するといいでしょう。
まとめ この記事を30秒で理解する!
今回は、中国輸入ビジネスにおける関税の基礎知識や、関税の計算方法などを解説しました。
関税を計算する際には、次の3点がポイントでした。
- 輸入品目の種類
- 輸入先の国
- 個人輸入か商用輸入
中国輸入ビジネスを行う際には、商用輸入となりますので、商品価格の100%が課税対象です。
偽りなく申告して、クリーンなビジネスに取り組んでいきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。