こんな悩みはありませんか?
- 法人税がどのような税金なのか知りたい
- 法人税の対象となる法人について知りたい
- 法人税の計算方法や税率について知りたい
個人が支払う所得税とは別で、株式会社などの法人が事業を通して所得を得た場合は、法人税を支払わなければなりません。
事業を行う上で法人税を正しく理解することは重要ですが、経営者になったばかりの方や、これから事業を始めたい方は、まだ法人税について詳しくない方もいるでしょう。
この記事では、詳しくない方でもわかるように、法人税とはどのような税金なのか、その計算方法や税率について解説します。
最後まで読むことで、法人税についての正しい知識が身につきますよ!
目次
法人税とは
法人税とは、株式会社や協同組合などの法人が、事業を通して得た所得にかかる税金です。
申告期限は、事業年度終了の翌日から2ヶ月以内で、税務署から送られてくる納付書を持参し、税務署で納付します。
法人の種類や規模によって課税金額が変わり、所得の金額によって税率が上がることはありません。
法人税の種類は、大きく3種類に分類されます。
法人税の種類
- 各事業年度の所得への法人税
この法人税が、最も一般的な法人税のタイプです。決算期に税金を申告します。 - 各連結事業年度の所得への法人税
親会社と子会社が連結している法人を連結事業と呼びます。親会社と子会社を含めた連結事業全体の所得に対して課税されます。 - 退職年金等積立金への法人税
信託会社や保険会社など退職年金に関する事業を行なっている法人に課税されます。
それでは、次は法人税の課税対象になる法人について説明します。
法人税の課税対象となる法人
法人税は、全ての法人に課税されるわけではなく、赤字の法人などは課税対象になりません。
あくまで事業を通しての所得を得た場合に課税されるからです。また、公益法人や公共法人の多くは非課税となります。
法人税の対象となる法人
法人税の対象となる法人は、事業を通して所得を得ているかどうかです。
主に普通法人と協同組合等に分けられます。
普通法人とは、協同組合等、公益法人等、公共法人等、人格のない社団等以外の通常の営利目的を持つ法人のことです。全ての所得に対して法人税が課税されます。
協同組合等とは共通の目的のために集まった個人や中小企業の組合のことです。普通法人同様、全ての所得に対して法人税が課税されます。
普通法人 | 協同組合等 |
|
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法人税の対象とならない法人
法人税の対象とならない法人は、主に公益法人等、公共法人等、人格のない社団等に分けられます。
ただし、収益事業を行わないことが原則です。
公益法人等とは、公益を目的としており、営利目的でない法人のことです。
収益事業がある場合は、その事業によって発生する所得にのみ法人税が課税されます。公益目的事業は収益事業ではないので、公益目的事業から発生した所得には法人税は課税されません。
公共法人等とは、公共性のある目的を持つ法人のことです。法人税は課税されません。
人格のない社団等とは、多数の人や財産が同じ目的の元に集まっていながら、法人格を持たず、代表者や管理人の定めがある団体のことです。
公益法人等同様、収益事業によって発生する所得がある場合は法人税が課税されます。
公益法人等 | 公共法人等 | 人格のない社団等 |
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法人税の計算方法
法人税額は、以下の式で求められます。
法人税の計算
法人税額 = 課税所得(益金 − 損金) × 税率
一般的な言葉ではないので、それぞれの項目について解説します。
益金とは
益金とは会計上の収益に、益金算入項目を加算し、益金不算入項目を引いて計算します。
益金の計算
益金 = 収益 + 益金算入項目 - 益金不算入項目
益金算入項目とは、会計上では収益にならないものの、税務上では収益になるものです。
次のようなものが益金算入項目に該当します。
- 売り上げの計上漏れ
- 貸倒引当金の取り崩し
- 退職給付引当金の取り崩し
益金不算入項目とは、会計上では収益になるが、税務上では収益にならないものです。
次のようなものが益金不算入項目に該当します。
- 受取配当金
- 税金の還付
- 資産の評価益
損金とは
損金とは会計上の費用に、損金算入項目を加算し、損金不算入項目を引いて計算します。
損金の計算
損金 = 費用 + 損金算入項目 − 損金不算入項目
損金算入項目とは、会計上では費用にならないが、税務上では費用になるものです。
次のようなものが損金算入項目に該当します。
- 繰越欠損金
- 費用を見積もり計上した事業税
- 特別償却準備金
損金不算入項目とは、会計上では費用になるが、税務上では費用にならないものです。
次のようなものが損金不算入項目に該当します。
- 租税公課
- 交際費等
- 役員賞与
- 資産の評価損
税率
法人税の税率は、以下の通り、法人の区分や規模に応じて変わります。
株式会社は普通法人に分類され、資本金が1億円以下の課税所得が800万円以下の部分には15%、800万円を超える部分には23.2%の税率がかかります。
ほとんどの中小法人以下はこちらに該当するでしょう。
区分 | 税率 | ||
普通法人 | 資本金1億円以下の法人 | 年800万円以下の部分 | 15% |
年800万円超の部分 | 23.2% | ||
上記以外の普通法人 | ― | 23.2% | |
協同組合等 | 年800万円以下の部分 | 15% | |
年800万円超の部分 | 19% | ||
公益法人等 | 公益社団法人、公益財団法人、非営利型法人 | 年800万円以下の部分 | 15% |
年800万円超の部分 | 23.2% | ||
公益法人等とみなされているもの | 年800万円以下の部分 | 15% | |
年800万円超の部分 | 23.2% | ||
上記以外の公益法人等 | 年800万円以下の部分 | 15% | |
年800万円超の部分 | 19% | ||
人格のない社団等 | 年800万円以下の部分 | 15% | |
年800万円超の部分 | 23.2% |
さいごに この記事が30秒で理解できる!
法人税とは、法人が事業を通して得た所得にかかる税金で、法人の種類や規模によって課税金額が変わります。
法人税の対象となる法人は普通法人と協同組合等で、対象とならない法人は公共法人等、公益法人等、人格のない社団等です。
法人税は以下の式で求められます。
法人税の計算
法人税額 = 課税所得(益金 − 損金) × 税率
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