こんな悩みはありませんか?
- 都市ガスとプロパンガスって、どちらが料金高いの?
- ガスを切り替えると、どれくらいお金がかかるの?
水道光熱費は生活する上で必ずかかる費用です。
ガス料金、水道料金、電気料金が月1,000円でも安くなれば、塵も積もれば山となり、10年間で12万円ものお金を生み出します。
今回の記事では、水道光熱費の中でもガス料金の「都市ガス」と「プロパンガス」の料金にしぼり、どちらの料金が高いのか、どれくらい料金が高いのか、ガスを切り替えると何年で工事費用を回収できるのかについて解説していきます。
目次
ガスの種類「都市ガス」と「プロパンガス」
ご家庭で使うガスは、「都市ガス」と「プロパンガス」に分かれます。
都市ガスは、名前の通り主に都市圏を中心に普及しているガスで、地下にあるガス管を通してガスを家に供給する仕組みです。都市ガスの主成分はメタンガスで、天然ガスが原材料です。
一方でプロパンガスは、LPガスとも呼ばれ、都市ガスが普及していない地域で供給されているガスです。各家庭に「ガスを充填したボンベ」を配送する仕組みです。プロパンガスの主成分はプロパンやブタンで、液化石油ガスが原材料です。
プロパンガスはだいたい2ヶ月に1回交換する必要があり、都市ガスと比較すると煩わしいため、プロパンガスを使っている方の中で都市ガスの整備を望む方も多いです。
しかし、都市ガスは各家庭へ地下にあるガス管で供給するので、工事に非常に多くのコストがかかります。
プロパンガスを扱う地域では、「コストが回収できない」という理由と「家間の距離が遠く都市ガスのように地下にガス管を作っても効率が悪い」という理由で、自治体が整備を進めていないという背景があります。
都市ガスとプロパンガスの料金について
ガス料金は、都市ガスとプロパンガスでは料金体系が違います。
都市ガス | プロパンガス |
2017年自由化 | 民間業者 |
総括原価方式➜自由料金制 | 自由料金制 |
安い | 高い |
都市ガスは2017年の自由化以前は、「総括原価方式」と呼ばれる方式で料金徴収することが、ガス事業法により定められていました。
都市ガスは、自由化以前は政府が認めた209社が各地域に1社インフラを整備し独占する形態でした。
インフラが整備されている側面もあり、人件費などの経費が抑えられ、基本料金がもともと安く設定されています。
しかし、競争原理が働かないことと、1社が独占している体性の不健全性から自由化を迎え、価格競争により更に料金が安くなっています。
プロパンガスは、各企業が自由にガス料金を設定できる「自由料金制」です。
プロパンガスは、ガスボンベを自宅に輸送するコストが大幅にかかるため、都市ガスよりも料金が高くなります。
プロパンガス事業を行う主要な会社は、「アストモスエナジー社」「ENEOSグローブエナジー」「岩谷産業」などの7社があります。
ここがポイント!
都市ガスは近年まで公共料金であったため、会社や地域による料金差はほとんどありません。
一方でプロパンガスは、最初から民間企業が料金を自由に設定できたため、企業間の料金差が今もなお幅広く設定されています。
都市ガスとプロパンガスはどれだけ料金が違うの?
ガス料金は「ガス料金 = 基本料金 + 従量料金」で計算できます。
東京ガスの場合は、ガスの使用量に応じて「基本料金+従量料金」が写真のように毎月請求されます。
都市ガス・プロパンガスの料金比較
都市ガスとプロパンガスでは「どちらの料金が高いか?」を同条件で比較します。
都市ガスとプロパンガス比較
上記の計算例でみると、プロパンガスは都市ガスの約3倍の料金です。
都市ガス・プロパンガスの料金比較(熱量を加味した正確な比較)
プロパンガスの原材料となる気体のプロパンは1㎥で24,000Kcal(99MJ)、ブタン1㎥は31,000Kcal(128MJ)の熱量をが発生します。
一方で、都市ガスの原材料となる天然ガスは1㎥で11,000Kcal(46MJ)の熱量が発生します。
つまり、都市ガスがプロパンガスと同じだけの熱量を出すには、「プロパンガスのガス使用量の約2.2倍の都市ガスを使わなければならない」ということです。
そのため、先ほどの都市ガスとプロパンガスのガス料金比較を正確に行うには、プロパンガスの料金を2.2で割ることで比較できます。
都市ガスとプロパンガス比較
正確な計算結果:
都市ガスの計算 | 基本料金 759円 + 従量課金(135.06円×20㎥)= 3,460円 |
プロパンガスの計算 | 12,340円 ÷ 2.2 = 5,609円 |
計算結果から、都市ガスとプロパンガスを比較すると、プロパンガスが都市ガスの約1.6倍の料金であることがわかります。
年間であれば、約26,000円の料金差であり、比較するとプロパンガスの高さがわかります。
プロパンガスから都市ガスへ切り替えるべき?
ガス料金の比較で、東京都では年間で26,000円もプロパンガスの方が高いことがわかりました。
いまプロパンガスをお使いの家庭は、「都市ガスに切り替えたい」と思ったのではないでしょうか。
プロパンガスから都市ガスへのガス料金の切り替えは、お住まいの建物に都市ガスが供給できるという条件を満たせば可能です。
関東近郊にお住まいの方であれば、こちらから東京ガスの「都市ガス供給エリア」を調べることができます。
プロパンガスから都市ガスへの切り替え工事作業費用は、だいたい15万円~25万円かかります。
つまり、5年~10年程度で切り替え工事費用を回収できるというのが一般的です。
これから10年・20年と住む「終の棲家」がプロパンガスによるガス供給であれば、都市ガスに切り替えることをおすすめします。
さらに詳しく!
プロパンガスから都市ガスへの切り替え工事作業の費用の内訳は、公道に通っているガス管を自宅まで引き込むための工事費用と、給湯器やガスコンロなどのガス機器の切替費用がかかります。
ガス管の引き込み工事費用は、平均10~15万円ですが、ご自宅と都市ガスの供給場所との距離が離れている場合には、「ガス管1mにつき約1万円」の費用が追加されます。つまり、ガス管からの距離が遠くなればなるほど、工事費用がかさむといえます。
まとめ 30秒でこの記事が理解できる!
ガスの供給方法は、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。
東京都のガス料金で比較すると、プロパンガスは都市ガスの約1.6倍の料金です。
プロパンガスから都市ガスへの切り替えは、お住まいの建物に都市ガスが供給できるという条件を満たせば可能であるため、まずは「お住まいの地域は、都市ガスが供給可能か」を調べることが重要です。
また、プロパンガスから都市ガスへの切替費用は、相場として15万円~25万円かかるため、「5年~10年で切り替え工事費用を回収する」という計画になります。
長年住む予定の家であれば、ガス代節約のために、早めに都市ガスへ切り替えることをおすすめします。